売却

【初心者向け】中古マンション売却を不動産会社が徹底解説【2021年度】

2021年4月22日

中古マンションの売却を検討している方に向け、中古マンションの売却活動の概要、および契約や費用、注意点などを網羅しました。
今すぐマンションを売却したい方はもちろんのこと、将来的に売却予定の方も含め、イメージ作りにお役立てください。
特に投資用としてのマンションをお持ちの方にとっては、出口戦略は非常に重要です。できるだけ有利に売却できるよう、正しい知識のもとで慎重に売却活動を進めましょう。

マンションの売却活動開始から引き渡し完了までの流れ

まずは、中古マンションを売却するときの流れを掴んでおきましょう。おおよそ下記のような流れで売却活動を行います。

  1. 不動産会社にマンション売却の相談
  2. 物件の査定
  3. 不動産会社と媒介契約(売却における営業等を業者に依頼する契約)
  4. 売却活動(宣伝・買主の募集)
  5. 買主との条件調整・売買契約の締結
  6. 引き渡しのための準備(リフォーム・引っ越し・公共料金の精算など)
  7. 買主から残代金の受領・物件引き渡し

それぞれのポイントで注意すべき事項や用意するものが異なるので、詳細については不動産会社に事前相談をしておくことが大切です。

中古マンション売却の流れについて詳しくはこちら

査定の方法は?

マンション売却の査定方法には、大きく分けて机上(ネット)査定と訪問(現地)査定の2種類があります。マンションの現物を見ずに行う査定が机上(ネット)査定で、実際にマンションの現物を見て行う査定が訪問(現地)査定です。

机上(ネット)査定

主に築年数や間取りなどの資料やデータをもとに査定を行うのが、机上査定です。訪問査定より、精度は低くなります。

訪問(現地)査定

訪問査定は現地に赴き、資料やデータだけではなく、日当たりや交通の利便性・近隣環境・広さや間取りの実感・共用施設の使い勝手など、実際に訪問しなければ分かりにくい要素をプロがしっかりとチェックして査定を行うものです。机上査定に比べると、手間や時間はかかりますが精度は高くなります。

マンション売却では大きなお金が動くため、時間に余裕を持った上での、精度が高い訪問(現地)査定がおすすめ。
査定価格は、実際の売却価格と完全に一致するわけではありません。査定価格とはあくまでも「売れそうな価格」の推算ですので、実際の売却価格はそれより低くなることも高くなることもあります。

査定の方法について詳しくはこちら

売却の相場は?

査定を行う際は、どれくらいの金額が妥当なのか自身でも確認しておくことが大切です。
千葉県における中古マンション売却の相場を例に、調べ方をご紹介いたします。

千葉県の中古マンション売却相場の平均価格

中古マンションと一口に言っても、地域・間取り等様々な条件によって売却価格には大きな幅があります。例として弊社、Myアセットの本社所在地である千葉県を参考に相場を見てみましょう。

国土交通省の不動産取引価格のデータによると、2019年10月~2020年9月の1年間に千葉県内で取引された中古マンションは約2,000件。うち最も取引数が多い(※1)3LDKの平均取引価格を計算すると、1件あたり約2,300万円です。
ちなみに1LDKなら約1,900万円、2DKなら約930万円、2LDKなら約1,700万円となっています。いずれも幅広い床面積、建築年は昭和40年代から令和のものまでとさまざまな物件が含まれるため一概にはいえませんが、相場観を知る目安になるでしょう。

(※1)2019年10月~2020年9月における中古マンション取引件数2,059件のうち、半数以上にあたる1,194件が3LDK物件。
参考:土地総合情報システム(国土交通省)
https://www.land.mlit.go.jp/webland/servlet/PopTradeListServlet?TTC=29001&TKC=07&TTY=1&ARC=12&LY=9999&SFL=0&FFL=0:0&PG=1

不動産取引価格を調べることができるデータベース

土地総合情報システム(国土交通省)

国土交通省のデータベース「土地総合情報システム」では、個別の不動産取引価格を確認することができます。売却したい物件に似た物件の取引事例を探してみましょう。

REINS Market Information(不動産流通機構)

全国の不動産会社が物件情報を登録・する情報システム(REINS:レインズ)のデータベース、「REINS Market Information」でも物件の取引情報を調べることが可能です。

自分が所有している個別物件の売却価格は、査定に出すほうがより正確に推定できますが、おおまかな相場のイメージを把握するうえでは、これらのデータベースは十分に参考になるでしょう。

新型コロナウイルスの影響による一時下落から回復傾向に

物件の相場は経済の動向とともに常に変動しています。直近では、新型コロナウイルスの影響による大きな動きがあり、2020年3月ごろには全国的に不動産相場が下落、千葉県内の中古マンション相場も下落しました。
ただ下落相場は一時的なものにとどまり、その後は成約価格の上昇傾向が続いています。
東日本不動産流通機構のまとめによると、2021年1月の千葉県の中古マンションの1平方メートルあたりの成約単価は前年同月比+4.3%に上昇しています。1カ月の成約件数は417件、前年同月比で+38.5%と、首都圏の中でも特に増加が顕著です(※2)。

不動産市況における、新型コロナウイルスの影響の不安が完全に払拭されたわけではありませんが、少なくとも2021年1月は売却に有利な局面だったと言えます。

(※2)参考:レインズマーケットインフォメーション「月例速報マーケットウォッチ」(p.3/p.5)
http://www.reins.or.jp/pdf/trend/mw/mw_202101_summary.pdf

一般媒介契約と専任媒介契約の違いは?

マンションなどの不動産を取引するときには、仲介業務を依頼する不動産会社と媒介契約を結ぶのが一般的です。媒介契約には、大きく分けて一般媒介契約と専任媒介契約があります。

一般媒介契約

売却物件に関する最低限の宣伝活動を不動産会社に依頼する契約で、複数の不動産会社と同時に結ぶことができます。
宣伝活動の代表的なものとしては、不動産ポータルサイトや不動産会社が運営するサイト・チラシに物件情報を掲載することなどです。

専任媒介契約

特定の不動産会社1社だけに、売却物件の宣伝活動を依頼する契約です。一般媒介契約に比べて、不動産会社が積極的に宣伝活動を行います。また、物件情報は必ず指定流通機構(レインズ)に登録され、全国に公開されます。

また、より積極的に営業活動をしてもらう「専属専任媒介契約」もあります。それぞれの媒介契約には一長一短なところがあるため、物件の状況や自身の希望に合わせて媒介契約の種類を選択しましょう。

媒介契約の種類について詳しくはこちら

売却に必要な書類は?

中古マンション売却の際、売主は多くの書類を用意する必要があります。これらの書類は仲介業務を行う不動産会社や買主にとって非常に重要なものとなるので、事前に準備をしておくと安心です。
以下ではタイミング別に必要になる主な書類をまとめてありますので、参考にしてみてください。

媒介契約時から必要になる書類

  • 登記済権利証・登記識別情報通知書:売主が不動産の所有者であることを証明する書類。
  • 登記簿謄本:不動産に関する詳細な情報(抵当権など)が記載された書類。
  • 身分証明書:売主が依頼者本人であることを証明する書類。運転免許証など。
  • 間取図:物件の間取りを表した図。

販売活動で必要になる書類

  • 管理規約・使用細則:マンションの共用部分の使い方や注意事項等がまとめられた書面。
  • 重要事項にかかわる調査報告書:マンション管理費や修繕積立金、大規模改修等に関する情報がまとめられた書類。
  • 固定資産税・都市計画税納税通知書:固定資産税・都市計画税の納税額の通知書。

売買契約時や引き渡し時に必要な書類

  • 印鑑証明・実印:役所に印鑑登録したことを示す書類が印鑑証明。その際に登録した印鑑が実印。
  • 固定資産評価証明書:役所で把握している不動産評価額に関する書類。
  • 銀行口座の種類・口座番号がわかる通帳:売却代金の振込先となる銀行の口座種類と、その預金通帳。

※対象物件の状況によっては、他の書類が必要になる場合もあります。

登記済権利証・登記識別情報通知書と登記簿謄本について

マンション売却の準備段階に用意する書類に含まれる「登記済権利証・登記識別情報通知書」は、特に重要な書類です。登記情報を記載した「登記簿謄本」とあわせて確認しておきましょう。

登記済権利証・登記識別情報通知書

不動産の権利登記手続きを行ったことを証明する書類が「登記済権利証」です。マンション売却においては、そのマンションの所有者であり、かつ売却する権利をもつことを公的に証明する書類となります。
2005年3月7日以降に登記された場合は、12ケタの番号が記載された「登記識別情報通知書」が権利証に代わって交付されています。

登記簿謄本

登記簿謄本とは、不動産の所在地や面積、所有者の氏名、住所、権利など、登記されている情報が記載された書類です。不動産の物理的な状況を記載した「表題部」と、所有者の権利や住宅ローンを組む際の抵当権に関する情報等を記載した「権利部」に分かれ、おもに不動産会社に売却を依頼する際に、物件の登記内容を確認するために使います。

売却にかかる手数料・費用・税金は?

中古マンションを売却した際には、売却価格の全額が手元に残るわけではありません。手元に残るお金は、不動産会社に支払う仲介手数料や登記費用、税金を売却価格から差し引いた金額です。
それでは、中古マンション売却でかかる主な3つの手数料・費用について見てみましょう。

手数料・費用

仲介手数料

売却を仲介した不動産会社に支払う費用が仲介手数料です。売却が成立したときに成功報酬として支払います。
仲介手数料は法律で上限額が決められており、400万円超の物件については以下の「速算式」で上限額を計算できます。

仲介手数料の上限額=(売却価格×3%)+ 6万円 + 消費税

登記費用

マンションを売却すると、所有権移転登記を行わなければなりません。住宅ローンをすでに完済していた場合や、売却と同時に一括返済した場合は、あわせて抵当権抹消手続きが必要です。
このうち前者の所有権移転登記にかかる費用は、買主が負担するのが慣例ですが、後者の抵当権抹消登記の費用は売主が負担することになります。

登記手続きでは登録免許税のほか、司法書士へ手続き代行を依頼した場合の料金がかかります。マンションの抵当権抹消登記の登録免許税は、建物と土地の権利それぞれに1,000円、合わせて2,000円が原則。司法書士への報酬は各司法書士が定めており、1~3万円程度になるケースが多いです。

ローンを一括返済するための費用

住宅ローンが残っているマンションを売却するときには、売却代金をあてて残債を一括返済します。金融機関でその手続きをする際、具体的には金融機関によりますが1~5万円ほどの手数料を支払うことになります。

売却にかかる税金は?

中古マンションを売却した際にかかる税金には、大きく分けて「必ずかかる税金」と「売却益が出たときにだけかかる税金」の2種類があります。

「必ずかかる税金」は、印紙税と登録免許税。印紙税とは、売主と買主との間で交わされる売買契約書に課される税金です。税額は売買契約の金額により400円~60万円まで大きな幅があります(2021年3月現在は軽減税率適用により200円~48万円まで)。
登録免許税とは、マンションの登記内容変更にともなって課される税金で、売却時だけでなく購入時や住宅ローンの借入時にもかかる税金です。売却の場合には、住宅ローンを完済したときの抵当権抹消手続きの際に、不動産1件につき1,000円(マンションなら建物と土地で2件扱いとなることが一般的)のみを負担するケースがほとんどです。

「売却益が出たときにだけかかる税金」は譲渡所得税で、購入時よりも高く売却できて、利益が出たときに課されるものです。厳密には、内訳として所得税・住民税・復興特別所得税の3つに分かれます。売却代金から取得費や売却にかかった費用、特別控除額(マイホームの場合3,000万円)を差し引いた「譲渡所得金額」に対して、約39%(保有期間5年以下)または約20%(保有期間5年超)の税率で課税されることを覚えておきましょう。

中古マンションの売却にかかる税金について詳しくはこちら

中古マンションを売却したら確定申告は必要?

上述のように中古マンションを売って売却益が出て譲渡所得税がかかるときには、自分で確定申告をして納付する必要があります。
確定申告の申告・納税期限は、マンションを売却した年(1月~12月)の翌年の2月16日~3月15日です。
ただし2019年と2020年に生じた売却益については、新型コロナウイルス感染拡大の影響を考慮し、期限が4月15日まで延長されています。

売却に際してのポイント・失敗しないための注意点

中古マンションの売却は、非常に大きなお金が動きます。いくらで売却を成立させるか、売却活動時にどれくらいのコストをかけるかの違いで、数十万円や数百万円規模の違いが出ることも。少しでも有利に売却を進めるために、マンション売却に失敗しないためのポイントをまとめました。

売却に向いている時期は?

中古マンションの売却を成功させるためには、時期・タイミングなど、買主のニーズや行動パターンを考慮して売却活動をすることが大切です。
たとえば、一般的に日本では、転勤や進学などの時期にあわせて2月や3月に引っ越し手続き(=マンションの契約など)をする人が多くなります。この時期にはマンションへの購入ニーズが高まりますが、売却活動はそれよりも前から始めておくことがおすすめ。マイホームを購入したい人は、実際には引っ越す半年ほど前から物件を探し始めるからです。
ほかにも、住宅購入や住宅ローンに関する優遇税制や経済状況に応じて、中古マンションの相場やニーズが変動することがあります。政策や税制などにもアンテナを張るなど、しっかりと売却の時期を見据えるようにしていきましょう。

売却と時期の関係について詳しくはこちら

売却活動には時間の余裕を持つ

できるだけ時間にゆとりを持って売却活動をすることも大切です。
売主に時間がないと、早く売却を成立させたい気持ちから、買主から値下げ交渉をされたときに弱気になってしまうことがあるためです。
時間の猶予があれば少しでも高く買ってくれる買主を探すことができるかもしれませんが、「1カ月以内に売ってしまいたい」などと売り急いでいると、大幅な値下げを要求する買主であっても妥協せざるを得ないでしょう。
できるだけ有利なマンション売却をするには、時間に余裕を持って早めに準備をすることをおすすめします。

築古物件の売却で気をつけることは?

築古物件の場合、なかなか売れないことがあります。また買主が現れたにも関わらず、その買主が銀行から融資を受けられなかったとの理由で売却が成立しないことも。築古物件は担保評価額が低く、返済不能リスクへの十分な備えにならないと判断されて金融機関が融資を断るケースが多いためです。
また、1981年6月以前に建設されたものについては、新耐震基準に対応していない可能性が高いので、同じく融資が受けづらい理由の一つになります。

これらの対策として、「不動産会社と専任媒介契約や専属専任媒介契約を結ぶ」ことや「不動産会社に買取を依頼する」ことをおすすめします。
前者は一般媒介契約よりも、積極的な宣伝活動を行う「専任媒介契約」や「専属専任媒介契約」を不動産会社と結ぶことで、より早く売却できる可能性を高めることが可能です。後者は価格こそ下がってしまう可能性はありますが、仲介の売却よりも短い期間で売ることができるでしょう。

築古物件の売却について詳しくはこちら

売却にあたってリフォームは必要?

売却活動の前にリフォームやリノベーションを検討する人もいますが、リフォーム・リノベーションをしないほうが中古マンションは売れやすい場合があります。中古マンションの買主の中には、なるべく安くマンションを買って自分好みにリフォームをしたいと考えている人も多いからです。事前にリフォームしてしまうと、その機会を奪ってしまい候補物件から外れてしまうことになります。
ただし、ドアが開かない、ガラスが割れている、水漏れ箇所があるなどの機能的な部分については最低限の修繕・リフォームが必要です。
リフォームすべきかどうか迷ったときには、不動産会社などの専門家に相談するようにしましょう。

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掃除など内覧準備を徹底的に行う

少しでも有利な条件で売るには、屋内の清潔感を演出することも効果的です。特に購入希望者の印象を左右する水周りや玄関、リビングなどはハウスクリーニング等を活用して徹底してきれいにしておくことをおすすめします。
「明日内覧をしたい」という急な問い合わせが来ても大丈夫なくらい、売り出し中は常にきれいにしておくよう心がけましょう。

マンション売却を得意とする不動産会社に仲介依頼する

マンション売却は、一戸建てや賃貸物件などとは異なる専門性が求められる分野です。各不動産会社にはそれぞれの得意・専門とする分野がありますが、専門分野の異なる不動産会社にマンション売却の仲介を依頼してしまうと、納得のいく取引ができないことがあるので注意しましょう。
可能であれば、マンション売却を得意とする不動産会社に依頼することをおすすめします。

「不動産投資顧問業」は売却にも関係する?

不動産会社の中には、「不動産投資顧問業」という専門業者としての登録をしている会社があります。
「不動産投資顧問業」とは、投資用マンションなどで不動産投資を行う人に対し、様々な助言やサポートを行う業務のことです。国土交通省が認定する高度な業務のため、信頼できる不動産会社を選ぶうえでの一つの指標になります。特に、築古物件の売却など、仲介契約をする不動産会社を1社に絞ったほうが売却活動を進めやすいような案件では、不動産会社の専門性の高さが大切です。不動産会社選びの際には、「不動産投資顧問業」などの肩書にも注目してみましょう。

不動産投資顧問業について詳しくはこちら

自分の物件の良い点を把握する

好条件で売却するには、購入希望者に物件のアピールポイントを伝えることも大切です。内覧に訪れた人に響くアピールポイントを、たくさん用意しておきましょう。たとえば次のようなものです。

  • 修繕が終わったばかりなので、これから数年は修繕が不要
  • 共有部分の設備が充実している
  • 買い物に便利な立地
  • 公園や緑が多いので子育てしやすい
  • 治安面での問題を聞いたことがない
  • 病院、銀行、市役所など生活の要所が徒歩圏内
  • 管理会社がしっかりしているので、共有部分が常に清潔

不動産会社とも相談し、売却物件の魅力的な部分はどこなのかを明確にしておきましょう。

売却する最低金額を決めておく

マンションの売買交渉においては、買主から値引きを求められることがあります。最終的な売買価格は売主と買主の合意で決まるため、取引を成立させるにはある程度は買主の希望に歩み寄ることも大切です。
一方で売主側は、事前に「ここまでなら値引きに応じる」という最低ラインを設定しておくようにしましょう。成り行き任せで価格交渉をしていると、当初の想定よりもかなり安い価格で売却しなければならなくなる事態もありえます。

売買契約後の責任

2020年4月1日から施行された改正民法において、従来の「瑕疵担保責任」の概念が、新たな「契約不適合責任」に変わりました。この改正により、実質的には売主の責任範囲(=買主からの請求権の範囲)が広くなっています。
改正法における最大の変更点とも言える部分が、買主に追完請求権が認められるようになったこと。追完請求権とは、引き渡された物件に契約内容と一致しない不具合があったとき、買主から売主に対して不具合の補修請求ができるという権利です。
以前の「瑕疵担保責任」においては、売主がその不具合を知っているかどうかが争点となりましたが、新たな「契約不適合責任」においては、売主がその不具合を知らなくても売主の責任が成立することになりました。 代金の振込と物件の引き渡しが済んでも、売主には「契約適合責任」が残ることを覚えておきましょう。「契約不適合責任」により、不動産売買はよりクリアでフェアな取引になったのです。

相続・遠方・共同所有のマンション売却で気をつけることは?

最後に少し変わった状況の例として、売却したい物件に相続が関係する・物件が遠方にある・物件を複数人で共同所有しているといった場合に注意するべき点を解説していきます。

相続が関わるマンション売却の注意点

相続が関わる場合、相続してからマンションを売却するか、相続前にマンションを売却するかを選択するほか、相続での分割の方法も複数あります。どの方法をとるかにより、手続きの流れや相続税額が大きく異なってくる可能性があるのです。

相続してからマンションを売却する場合には、相続税はマンションの時価ではなく、「相続税評価額」に対して課税されます。相続税評価額はマンションの場合、建物部分は固定資産税評価額、土地の権利部分は路線価方式または倍率方式で計算した評価額です。いずれも時価よりもかなり低い金額となることが多いため、相続税額を抑えられる点がメリットになります。
ただし、相続人が複数いる場合には、相続財産であるマンションを誰がどのように相続するのか、分割方法を話し合い合意しなければなりません。一戸のマンションを親子・兄弟など複数の相続人で共有名義として相続するのか、または一人がマンションを相続して、他の人が現金など他の相続財産を相続するのかなど、遺産分割協議を行って決めることをおすすめします。
なお、取得したマンションを売却して利益が出たときには、所得税がかかります。

相続後に売却することを相続人の間であらかじめ決めておけば、代表者1人がマンションを相続して、売却した後に現金を相続人たちで分け合う「換価分割」という方法もあります。この場合も、相続時には相続税評価額に対して相続税がかかるほか、売却時に利益が出た場合は所得税が課されます。

ただしいずれの方法でも、相続開始の翌日~相続税の申告期限の翌日以後3年(相続から3年10カ月後)に売却した場合には、所得税の計算上で優遇により所得税額を一部抑えることができます。

高齢の親の名義になっているマンションでは、相続が発生する前、存命中にマンションを売却しておく選択肢もあります。その場合、相続財産にマンションの売却代金(現金)が含まれることになるので、遺産分割をする際、不動産そのものよりも相続人同士でスムーズに分けやすいのがメリットとなります。
一方で現金の額面がそのまま相続税評価額になるため、マンションのまま相続する場合に比べて負担する相続税の金額が大きくなるデメリットもあります。

遠方にあるマンション売却の注意点

自宅から遠方にある物件を売却する際には、売却活動や契約にあたってコストがかかることがあります。「マンションの売買契約を結ぶ時」と「引き渡しを行う時」の最低2回は売主がその場に立ち会うのが原則のため、売却するマンションが遠方にある場合には、現地や引渡しを行う場所までの交通費や宿泊費などがかかるからです。
どうしても自分が立ち会えないときは代理人を立てる方法もありますが、その場合にも代理人への報酬などコストの発生は避けられないことがほとんど。近場のマンションの売却に比べると、遠方のマンションを売却するにはそれらのコストが加わることも念頭に置きましょう。

所有者が複数人いるマンション売却の注意点

相続での取得や、共同名義での購入などの理由によって複数人の名義で所有しているマンションを売る場合は、手続きが煩雑になったり、売却が成立しづらかったり、価格が低くなったりすることがあります。

マンションの一室・一棟に限らず、複数人で所有している物件の「全体」を売却することも「自分の持分だけ」を売却することも可能です。
しかし全体を売却する場合には共同名義人全員の同意が必要なので、どれくらいの売却価格で売るのかを合意した上で、売買契約書には全員の署名が必要になります。

自分の持分だけを売却する場合には、他の共同名義人の同意は必要ありませんが、一般的な売却のように第三者に売るのはあまり現実的ではありません。特にマンションの一室の共有持分は、取得しても他の共同名義人がいればそこに住めるわけではありませんし、後に売却するときにまた煩雑になるためです。そのため、一部持分だけを購入してくれる不動産会社、または共同名義人に買い取ってもらうこととなります。
この場合、居住権のない所有権のみの売却となるため、売却価格は相場よりも大幅に安くなることが一般的です。持分だけを売却する際には、この点を考慮した上で検討しましょう。

あるいは、マンションの全体を売却し、持分比率に応じて共同名義人の間で現金を分割する方法もあります。ただし前述の通り、全体を売却するには共同名義人全員の同意が必要なので、一人の意志だけで他の名義人の持ち分を含めた全体を売却することはできません。

共同名義のマンションを売却する際には、共同名義人同士で慎重に協議することが重要となります。

今回のまとめ

中古マンションの売却に関して、売却活動の概要や契約、費用、注意点・ポイントなどについて網羅的に解説してきました。
当メディア「不動産投資の副読本」内の各記事ではそれぞれの詳細に解説していますので、こちらもぜひチェックしてみてください。

Myアセットでは、住居用・投資用を問わず豊富な売却実績で得たノウハウを基に、ここで取り上げた話題以外にも中古マンション売却に関するあらゆるご相談を受け付けております。
マンション売却に関するお悩みや相談がある方は、Myアセットまでお気軽にお問い合わせくださいませ。