売却

一般媒介契約と専任媒介契約、中古マンション売却にはどちらが良い?

2020年12月21日

ここでは、中古マンションを売却する際に不動産会社と結ぶ媒介契約について詳しく解説します。
媒介契約には一般媒介契約や専任媒介契約などがありますが、一概に、どれが優れている契約とは言えません。状況に応じて適切な契約形態を選択することになります。

それぞれの契約形態の特徴やメリット・デメリットなどをきちんと押さえ、ご自身のマンションに適した契約をするようにしましょう。

そもそも媒介契約とは?

媒介契約とは、マンションなどの不動産の売買や賃貸契約を結ぶ際、不動産会社に対し、仲介業務の依頼をする契約のこと。理屈のうえでは、不動産の売買も賃貸も当事者同士で交渉すれば良いのですが、希望の条件に合う物件や、条件を受け入れてくれる相手を自力で見つけることはなかなか困難です。
そこで一般的には、広く不動産の売買情報・賃貸情報を握っている不動産会社と媒介契約を結ぶ形となります。

媒介契約を大きく分けると「一般媒介」「専任媒介」「専属専任媒介」の3種類。まずは、それぞれの契約について、メリットとデメリットをおさらいしておきましょう。

なお媒介契約は、不動産を売る際にも買う際にも締結することになりますが、当解説記事では、断りのない限り不動産を売る側の視点から説明をいたします。

一般媒介

メリット
  • 複数の不動産会社と同時に契約できる
デメリット
  • 不動産会社から営業活動の状況報告が入らない
  • 物件情報がレインズ(※)に登録されないこともある

専任媒介

メリット
  • 2週間に1度以上、不動産会社が営業活動の報告をしてくれる
  • 契約7日以内に物件情報がレインズ(※)に登録される
デメリット
  • 1社の不動産会社としか契約できない

専属専任媒介

メリット
  • 1週間に1度以上、不動産会社が営業活動の報告をしてくれる
  • 契約5日以内に物件情報がレインズ(※)に登録される
デメリット
  • 1社の不動産会社としか契約できない
  • 売主が自力で買主を見つけたとしても、かならず不動産会社の仲介の形にしなければならない

※「レインズ」とは
レインズとは、国土交通大臣が指定した不動産流通機構が運営する不動産情報システムのこと。レインズに登録した物件情報は、全国すべての不動産会社で閲覧できる形となります。効率良くマンションを売却したい場合には、不動産会社を通じてレインズに登録してもらうことがとても有効な手段となります。

3種類の媒介契約については、どれが最も優れているかというものではありません。不動産取引の状況や目的に応じて、どの契約が適しているのかを適宜判断しましょう。

一般媒介契約の特徴

一般媒介契約の概要と主な特徴

一般媒介契約とは、最低限の宣伝活動を不動産会社に依頼する契約のこと。通常、不動産会社のサイトやチラシ等に物件情報を掲載してもらう程度の宣伝活動となります。契約期間は無制限(※1)です。
専任媒介・専属専任媒介とは異なり、複数の不動産会社と同時に契約を結ぶことが可能。不動産会社側は、当該物件の営業活動について、契約者に報告する義務はありません(※2)。不動産会社の仲介と並行し、売主が自力で買主を探すこともできます。

なお、一般媒介契約の場合、不動産会社は物件情報をレインズに登録する義務はありません(※2)。

※1 法律上では無制限です。ただし、国土交通省の標準媒介契約約款においては3ヶ月以内で定められています。

※2 依頼者に対する営業活動の報告・物件情報のレインズ登録については義務ではありませんが、不動産会社の任意で可能です。

参照:一般媒介契約について | 公益社団法人 全日本不動産協会
https://www.zennichi.or.jp/law_faq/%E4%B8%80%E8%88%AC%E5%AA%92%E4%BB%8B%E5%A5%91%E7%B4%84%E3%81%AB%E3%81%A4%E3%81%84%E3%81%A6/

一般媒介契約には「明示型」と「非明示型」がある

上述の通り、一般媒介契約の場合には、複数の不動産会社と重複して契約を結ぶことができます。この際、重複していることを伝えたうえで結ぶ一般媒介契約を「明示型」と言います。反対に、重複していることを伝えずに結ぶ一般媒介契約を「非明示型」と言います。

どちらを選ぶかは、依頼者の自由。ただし、重複して不動産会社と契約しているという状態は、不動産会社にとってみればライバルが登場するということ。
より積極的に営業活動を行ってもらいたい場合、複数社と契約していることを不動産会社側に伝えると良いでしょう。

一般媒介契約の主なメリット

複数の不動産会社と同時に契約できる

後述する他の2つの契約形態では、不動産会社1社のみとしか契約を結ぶことができませんが、その点、複数の不動産会社と同時に契約を結ぶことができるのは、一般媒介契約の大きなメリットです。
複数の不動産会社に営業活動をしてもらえば、その分、より多くの人たちの目に売却情報が触れることでしょう。

一般媒介契約の主なデメリット

不動産会社から営業活動の状況報告が入らない

一般媒介契約を結んだ物件について、不動産会社では自社のサイトやチラシなどに情報を掲載します。しかしながら、一般にそれら営業活動の内容や成果が依頼者に伝えられることはありません。営業活動の進捗状態を知ることができないことに対し、依頼者として不安を感じられる方もいらっしゃるかも知れません。

物件情報がレインズに登録されないこともある

一般媒介契約の情報をレインズに登録するかどうかは、契約した不動産会社が任意で判断します。レインズに必ず登録される専任媒介・専属専任媒介と比べると、物件情報が全国の不動産会社の目に触れにくくなる可能性があります。

他の2つの契約に比べ、熱心に営業活動をしてもらえないことがある

複数の不動産会社に重複して契約している場合、他の不動産会社が売買契約を成立させてしまうと、自社には成功報酬が入りません。言い換えれば、それまでの売却活動の努力が水の泡となります。
そのため不動産会社の中には、他の契約形態に比べ、熱心に営業活動を行わないところも少なくありません。

一般媒介契約が向いている例

売却情報が人の目に触れるだけで問い合わせが集まるような、もとから高い需要が見込まれる物件については、一般媒介契約でも十分に売れる可能性があります。たとえば次のような物件です。

  • 駅までのアクセスなど立地が良いマンション
  • 築浅のマンション

これらのように、すぐにでも買い手がつきそうな物件であれば、たとえ一般媒介契約であっても、不動産会社はその売却情報を目立つ形で公開する傾向があります。

専任媒介契約の特徴

専任媒介契約の概要と主な特徴

専任媒介契約とは、契約した1社の不動産会社だけに対し、積極的な営業活動・宣伝活動を依頼する契約のこと。サイトやチラシ等に物件情報を掲載することはもちろんのこと、不動産会社が買主を積極的に探して営業活動を行います。
契約期間は3ヶ月ごとの更新制。契約から7日以内にレインズへ物件情報を登録され、2週間に1度の頻度で営業活動状況について不動産会社側より報告があります。

なお専任媒介契約中であっても、売主が自力で買主を探すことも可能です。

専任媒介契約の主なメリット

2週間に1度以上、不動産会社が営業活動の報告をしてくれる

専任媒介契約では、不動産会社は2週間に1度の頻度で売主に営業活動の報告をすることが義務付けられています。対して一般媒介契約では、前述の通り営業活動の内容を報告する必要はありません。営業の進捗が見えることは、売主 にとってメリットとなるでしょう。

契約7日以内に物件情報がレインズに登録される

一般媒介契約とは異なり、専任媒介契約の場合、不動産会社は契約から7日以内に物件情報をレインズに登録する義務を負います。言い換えれば、契約から7日以内に物件情報が全国の不動産会社に公開されるということです。人の目に触れる範囲が広がる分、売却できる可能性も高まります。

売主が自分で買い手を探すことができる

契約期間中に売主が自分で買い手を見つけた場合には、不動産会社を通さず、個別で売買契約を結ぶことができます。後述する専属専任媒介契約では、これが認められていません。

専任媒介契約の主なデメリット

1社の不動産会社としか契約できない

一般媒介契約とは異なり、専任媒介契約は1社の不動産会社としか契約を結ぶことができないので、本当に信頼できる不動産会社を吟味する必要があります。

専任媒介契約が向いている例

不動産会社が熱心に営業活動をしなければ売れにくい物件については、一般媒介契約よりも専任媒介契約のほうが向いているでしょう。たとえば次のような物件です。

  • 駅までのアクセスが悪いマンション
  • 築年数が古いマンション

ほかにも、何らかの事情があって売れにくい物件については、一般媒介契約ではなく、専任媒介契約や専属専任媒介契約を結ぶことをおすすめします。

専属専任媒介契約の特徴

専属専任媒介契約の概要と主な特徴

専属専任媒介契約とは、専任媒介契約にある制限をさらに強化した契約のこと。不動産会社は1週間に1度のペースで、依頼者に対して営業活動の詳細を報告しなければなりません。かつ、契約から5日以内にレインズへの登録が義務付けられます。契約期間は3ヶ月ごとの更新となります。

なお専属専任媒介契約を結んだ場合は、必ずその不動産会社を通じて売買契約を結ぶ流れとなります。つまり売主が自力で買主を見つけたとしても、不動産会社を介して契約しなければなりません。

専属専任媒介契約の主なメリット

1週間に1度以上、不動産会社が営業活動の報告をしてくれる

営業活動の状況について、不動産会社は、1週間に1度のペースで依頼者に活動内容や成果を報告する義務があるため、3種類の媒介契約の中でもっとも報告の頻度が高いです。

契約5日以内に物件情報がレインズに登録される

契約を結んでから5日以内に、物件情報がレインズに登録されるので、専任媒介契約よりもスピーディに物件情報が全国の不動産会社にむけて公開されます。

専属専任媒介契約の主なデメリット

1社の不動産会社としか契約できない

専任媒介契約と同様、1社の不動産会社としか契約できません。

売主が自力で買主を見つけたとしても、かならず不動産会社の仲介の形で契約しなければならない

売主が自力で買い手を探すことは可能ですが、仮に買い手を見つけたとしても、かならず媒介契約を結んだ不動産会社の仲介という形で売買契約を成立させなければなりません。つまり売主は、必ず不動産会社に売買成立の仲介費用を支払わなければならない、ということです。

専属専任媒介契約が向いている例

専任媒介契約と同様に、不動産会社の営業活動なくして売れにくい物件に関しては、専属専任媒介契約も検討してみたほうが良いでしょう。

売れなければ買取の選択肢も

緊急で不動産を売却したい場合、あるいは、媒介契約では不動産が売却できなかった場合には、「買取」という方法で不動産を売却することができます。
「買取」とは、不動産会社に直接物件を買い取ってもらうこと。すぐに不動産を現金化できることや仲介手数料がかからないというメリットがありますが、一方で、市場価格よりも1~3割ほど売却価格が安くなるというデメリットもあります。

メリットとデメリットをよく比較検討し、十分に納得できるならば「買取」を選択しても良いでしょう。

今回のまとめ

3種類の媒介契約について、改めてポイントをまとめます。

一般媒介

重複依頼
レインズ登録
任意
営業活動の報告
任意
契約期間
無制限(※)

※ 法律上では無制限です。ただし、国土交通省の標準媒介契約約款においては3ヶ月以内で定められています。

参照:一般媒介契約について | 公益社団法人 全日本不動産協会
https://www.zennichi.or.jp/law_faq/%E4%B8%80%E8%88%AC%E5%AA%92%E4%BB%8B%E5%A5%91%E7%B4%84%E3%81%AB%E3%81%A4%E3%81%84%E3%81%A6/

専任媒介

重複依頼
×
レインズ登録
契約7日以内
営業活動の報告
隔週
契約期間
3ヶ月ごと更新

専属専任媒介

重複依頼
×
レインズ登録
契約5日以内
営業活動の報告
毎週
契約期間
3ヶ月ごと更新

マンション売却において、一概に、どの契約形態が最善かという答えはありません。物件の状況や売主が求めるものに応じ、適切な契約形態を選ぶことが必要です。

なお、投資用や住居用など物件タイプを問わず、Myアセットでもマンション売却の仲介を行っておりますので、マンション売却を検討している方は、ぜひMyアセットまでお気軽にお問合せください。