不動産投資における「レバレッジ効果」って?
2021年8月25日
不動産投資に関する様々な情報をリサーチしていると、「レバレッジ効果」という言葉を目にすることがあるでしょう。
この記事では、不動産投資におけるレバレッジ効果の仕組みを、数字・金額を使った具体例で解説します。
レバレッジ効果の基本的な仕組み
少ない資金で大きな収益を上げるという考え方
レバレッジ効果とは、小さな力で大きなものを動かす「てこの原理」のように、少ない資金で大きな収益を狙う効果のことを言います。
自己資金だけで不動産投資を行った場合、投資家の収益は自己資金で購入できる物件の家賃収入に限られます。
一方で金融機関の融資も加えて不動産投資を行った場合、より高額な物件から多くの家賃収入を得られる可能性があるため、見込める収益の上限が高くなるのです。家賃収入から不動産投資ローンの返済額を差し引いても、投資した自己資金額に対する収益額が高くなることがあり、これを不動産投資の「レバレッジ効果」と呼びます。
レバレッジ効果を得る方法
高需要の地域にあり家賃収入が安定している・物件価格が割安であるなど、好条件な不動産は、「自己資金+融資」または「融資のみ」で不動産投資をすると、レバレッジ効果を得られることがあります。
自己資金のみで購入できる物件よりも高額な物件を購入できると、自己資金に対する収益が大きくなる可能性があるからです。
レバレッジ効果の具体例
不動産投資におけるレバレッジ効果の仕組みを理解するため、具体的な金額を使った例でご説明します。
条件例1 融資でより高額なマンションを購入する場合
自己資金は1000万円として、2つの条件を設定します。期待できる投資効果を比べてみましょう。
- 【パターンA】
1000万円の自己資金で物件価格1000万円のマンションを購入する - 【パターンB】
1000万円の自己資金に1500万円の融資を加え、物件価格2500万円のマンションを購入する
同額の自己資金でも収益が上がる
年間で得られる家賃収入が、パターンAの1000万円のマンションでは50万円、パターンBの2500万円のマンションでは125万円とした場合、パターンA・パターンBともに表面利回りは5%です。
ここで、パターンBで銀行への投資ローン返済を差し引いた手取り収入が70万円である場合を考えてみましょう。その場合、投資に充てている自己資金はパターンAと同じ1000万円になりますが、年間で得られる家賃収入はパターンAに比べて20万円高いことになります。
そうなると自己資金に対する収益の利回りは、パターンAは5%、パターンBは7%。同じ自己資金でありながら、融資を行って物件価格が高いマンションを購入したパターンBのほうが利回りが高くなっています。これがレバレッジ効果です。
さらにレバレッジ効果の理解を深めるため、もう一つの例を見てみましょう。今度は、物件価格が同じ金額の場合です。
条件例2 マンションの価格は変わらない場合
物件価格1000万円のマンションを、全額自己資金で購入するパターンと、融資を併用して購入するパターンで、投資効果を比べてみましょう。
- 【パターンA】
1000万円の自己資金で物件価格1000万円のマンションを購入する - 【パターンB】
500万円の自己資金に500万円の融資を加え、物件価格1000万円のマンションを購入する
自己資金を残しておける
パターンAもパターンBも、マンションから得られる家賃収入が年間50万円だった場合、物件価格に対する表面利回りは5%です。
パターンBの場合、金融機関への投資ローン返済額を差し引いた手取り収入が30万円としたら、手取りの家賃収入が少なくなるので投資効果が下がっているように思えます。
しかし、パターンBの場合は投資に充てた自己資金は500万円のみです。ここから手取りの家賃収入が年間30万円得られるとしたら、自己資金に対して年間6%の利回りで収益があがることになります。
また、不動産投資をしても手元に500万円の資金を残しておけるというメリットも。この資金を元手にして別の投資を行ったり、空室リスクや健康上のリスクなどに備えて貯蓄を残しておいたりできるでしょう。
自己資金をすべて使わず自己資金の一部に融資を加えて不動産投資をすると、レバレッジ効果を得られるとともにリスクに備える選択肢が広がることがあります。
逆レバレッジ効果のリスクがある
少ない資金で大きな収益を狙うレバレッジ効果ですが、金利や賃貸の状況によっては、逆に損失が出てしまうことがあり、これを逆レバレッジ効果と言います。
逆レバレッジが生じてしまう原因は、主に以下です。
金利が上がってしまった場合
ローン金利が返済中に上昇して返済金額も上昇すると、手取りの家賃収入が下がってしまいます。
つまり金利が大幅に高くなって手取りが激減すれば、融資を受けずに自己資金で購入して賃料収入の大半を手取りの収益にできるほうが、収益性は高かったことになるのです。
利回りが下がってしまった場合
投資用物件に空室が生じるなどの理由で家賃収入が減少し、ローンの返済額を下回ってしまうと、不足分を自己資金から捻出しなければなりません。
新築や築浅の物件を購入した場合、購入当初は家賃を高めに設定できるかもしれません。しかし数年経つと新築や築浅という付加価値が薄まることで家賃を下げることになったり空室ができたりして、想定以上に収益が下がる恐れがあります。
今回のまとめ
レバレッジ効果とは、自己資金を抑えつつ融資を活用することで、自己資金だけで運用するよりも高い投資効果を狙う考え方です。
自己資金に対する収益を高くする・手元に多くの自己資金を残しておけるというメリットがあります。
ただし金利や賃貸付けの状況が変わった場合、融資を利用している方が不利になる「逆レバレッジ効果」に直面する可能性があることも、念頭に置いておくとよいでしょう。
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