不動産投資の基礎

REITと不動産投資の違いは?始めるならどっち?

2021年12月15日

不動産を購入して家賃収入を得るのが一般的な不動産投資ですが、同じく不動産を運用する投資方法としてREITがあります。
不動産投資は自分で不動産を購入するのに対し、REITは不動産を直接購入しない投資方法です。

それぞれの違いを詳しく解説しますので、不動産投資とREITのうち自分に合うほうを判断する際にぜひご参考ください。

また、物件をそのまま購入せず分割して投資する方法という観点で、REITと似ている「不動産小口化商品」があります。
不動産小口化商品の解説はこちら

REITとは?

REITは投資信託の一種で、投資家から集めたお金で運用会社が様々な不動産を購入・運用し、家賃収入や売却などによる利益を投資家に分配する方法です。
不動産を所有するのは投資家ではなくREITを運営する法人なので、投資を始めるために不動産を購入する必要がありません。

また、主なREITは株式市場に上場しているので、証券会社を通して簡単に投資を始められます。
投資先は不動産であるものの、自分では不動産を所有しない点や不動産会社ではなく証券会社を通じて売買を行う点などから、資産運用としては不動産投資よりも株式投資に似ているといえるでしょう。

REITのメリット

REITにはメリットとして以下の3つがあります。

換金性が高く、条件が揃えば収益を得やすい

通常の不動産投資の場合、一度購入した物件を売却・換金するのは簡単ではありません。一方、REITは不動産投資に比べて換金性が高く、必要であれば比較的早く現金化が可能です。価格が上下するタイミングで上手く投資できれば、条件次第で大きな収益を期待できます。

初期費用を低く抑えられるので、始めやすい

不動産投資をするために不動産を購入する場合、融資のみで物件を購入する「フルローン」やそれ以上に融資を受けない限り、物件価格の1~3割程度の頭金や各種手数料・税金など初期費用の準備が必要です。REITは10万円前後から売買されているので、比較的初期費用を抑えられるでしょう。

分散して投資しやすいので、問題が起きたときの影響が小さい

「複合型」や「総合型」と呼ばれるREITなら、住宅・ビジネス事務所・観光ホテルなど様々な種類の不動産への分散投資が可能です。 不動産は種類によって外的要因からの影響が異なるため、投資先の不動産に問題が発生した場合のバックアップになります。

例えば、自然災害やウイルス蔓延などの外的要因によって不動産の家賃が下落した場合、投資先の一部で収益が大きく下がったとしても他の不動産は小さな影響で済むかもしれません。
このように、1種類だけの不動産に投資した場合と比べて、リスクを低減させられる可能性があるのです。

REITのデメリット

REITの主なデメリットは、以下の2つです。

安定した収益には繋がらないことに加え、元本割れを起こすリスクがある

通常の不動産投資は、借主がつけば安定した収入を得やすいのがメリットです。
一方でREITは価格が変動しやすいので、収入が安定する可能性は高くありません。また、REITを運営している法人が倒産してしまった場合は投資した資金が減ってしまうおそれもあります。

自分で不動産を所有・運用はできない

REITは、不動産を自分では所有できず、運用も全てREIT運営会社に任せることになります。
管理の手間がかからないというメリットと引き換えに、資産として不動産を所有できないため、自分の思い通りの運用はできません。

REITは他の投資方法とどう違う?

REIT・通常の不動産投資・株式投資について重要な項目ごとの違いをまとめました。

REIT 通常の不動産投資 株式投資
不動産の所有者 REITの運営法人 自分
必要な最低初期費用の目安 数万円〜 数百万円〜 数十万円〜
利回りの目安 3%~6%程度 物件の家賃相場による(3%〜10%程度) 銘柄による(数%〜)
不動産投資ローンの利用 不可
管理にかかるコスト
かかる税金 所得税
住民税
固定資産税
所得税
住民税など
※不動産購入時に、別途不動産取得税などがかかる
所得税
住民税
流動性
価格の上下
早い
大幅
おだやか
小幅
銘柄や市場の動きによる

特に大きな違いは以下の4点です。

  • 通常の不動産投資では自分が不動産の所有者になるが、REITではならない
  • 通常の不動産投資では不動産投資ローンを利用できるが、REITでは利用できない
  • 通常の不動産投資は基本的に自分で物件を所有するので管理コストがかかるが、REITはかからない
  • どの投資方法も主に所得税・住民税がかかるが、通常の不動産投資では不動産を所有するため不動産取得税や固定資産税もかかる

最低初期費用の低さ・不動産投資ローンを使えないこと・税金の種類などから、REITは不動産投資よりも株式投資に似ていると言えるでしょう。

REITと不動産投資が向いている人

REITと通常の不動産投資の違いを踏まえて、どのような人がREITに向いていてどのような人が不動産投資に向いているかを解説します。

REITが向いている人

REITが向いているのは、以下のような方です。

  • 可能な限り手間をかけずに投資をしたい
  • 少額から投資を行いたい

REITでは投資を行うのはご自身ではなく運営会社なので、実際に投資を行う手間がかからない上、不動産を所有・管理する必要が無く、賃貸人の募集や物件の維持管理をする負担もありません。
可能な限り手間をかけずに投資を行いたい方におすすめです。

また、REITは数万円程度の比較的少ない資金から投資できるので、少額からスタートしたい・無理のない資金で投資を行いたい場合にも有効といえるでしょう。

通常の不動産投資が向いている人

通常の不動産投資が向いているのは、以下のような方です。

  • 「自分の持ち物」として物件とお金を全て自分で管理したい
  • 不動産投資ローンを利用したレバレッジ効果を活用したい

通常の不動産投資は自分で不動産の現物を購入するので、投資物件を自分のものとして所有・運用したい場合に向いている方法です。
家賃収入のお金やローン返済といった資金計画はもちろん、物件の状態・補修の計画なども含めて自分で管理できます。
また、不動産投資ローンを利用すれば、レバレッジ効果(※)も期待できるでしょう。

※レバレッジ効果とは、融資を受けることによって自己資金だけで投資を行うよりもより大きな利益を得られる効果です。こちらの記事で詳しく解説しているので、よろしければご覧になってください。

今回のまとめ

REITとは、証券を購入する形で運営会社に資金を預けて不動産を運用してもらい、運用に基づく家賃収入や売却代金などの利益を配当として得る投資方法です。

通常の不動産投資は不動産を自分で購入するのに対して、REITは不動産を購入しません。
自分で不動産を管理運用する手間の無さや換金性の高さがREITのメリットですが、逆に自分で物件を管理できなかったり収入の安定には繋げられなかったりすることがデメリットになり得ます。

Myアセットでは不動産売買の仲介だけでなく管理委託も承っており、通常の不動産投資であっても物件管理のご負担を減らすことが可能です。物件管理の面からREITをご検討の方は、ぜひMyアセットに不動産投資をご相談ください。