マンション購入で住宅ローンと投資ローンは併用できる?
2021年6月28日
住宅ローンを返済中の方が並行して投資ローンを借りることは、基本的に可能です。このページでは両者の違いを説明した後、併用する場合の融資上限額や注意点について詳しく解説します。
住宅ローンと投資ローンは併用可能
住宅ローンと投資ローンを併用することは可能です。
それぞれのローンの条件を満たしていれば、特に問題なくそれぞれのローンを併用することができます。
住宅ローンと投資ローンは返済のための資金源が違う
住宅ローンと投資ローンでは、ローンの返済に充てる資金の考え方が違います。
会社員や公務員の場合は、住宅ローンは主に給与所得から返済します。それに対して投資ローンの返済には、主にマンション投資の収益(=家賃収入)を充てるので、自分の財産にほとんど手を付けることなく返済を終えられる可能性も。
ただし、空室が発生して収益が不足する場合には、収入や預貯金などから投資ローンの返済を行わなければなりません。そのリスクも考慮し、ローンを利用する際には専門家にしっかりと相談することが大切です。
住宅ローンと投資ローンの違い
不動産投資に利用できるローンには、「フリーローン」や「担保ローン」などがあります。
この中でも、不動産投資用に特化したローンを「投資ローン(不動産投資ローン、投資用不動産ローン)」と呼びます。
ここでは、投資ローンと住宅ローンの「金利」「融資額」「審査方法」の違いを説明します。
金利の違い
住宅ローンの金利に比べると、投資ローンの金利は高めに設定されています。
変動金利型で比較すると、住宅ローンの金利がおおよそ年0.4%~1%ほどであるのに対し、不動産投資ローンは年2%~4%ほど。後者のほうが金利が高く、1年間に支払う金額にも大きな差が出ます。
※金融機関や審査結果、担保の有無などによって実際の適用利率は異なります。
融資限度額の違い
住宅ローンに比べると、投資ローンのほうが高い借入可能額を設定されていることが多くあります。
住宅ローンの目的は、住むための家を購入することにあります。それに対して投資ローンは、マンションの一室のほか、マンションやアパートを1棟丸ごと購入することもあります。
そのため購入価格が住宅ローンより高くなることがあり、対応できるように借入可能額が高く設定されているのです。
審査方法の違い
住宅ローンと投資ローンは、審査方法が異なります。
住宅ローンで主に審査される点は、年齢や勤続年数、年収、他の借入状況、返済状況などの個人属性が主に確認されます。投資ローンの審査基準は、個人属性に加えて購入対象物件の収益性や将来性などが含まれます。
住宅ローンと投資ローンを併用する場合の融資上限額
ローンを併用する際、融資を受けるのは同じ債務者なので、投資ローンの融資上限額は、他に借りているローンの残高に影響されます。
住宅ローン以外にも未返済の借入(自動車ローン、フリーローン、キャッシングなど)がある場合には、これらも考慮した上で投資ローンの融資上限額が決まります。
たとえば、年収が700万円の人が投資ローンの審査によって融資上限額が年収の10倍までとされたら、借りられる投資ローン額は7000万円までになります。
ところが既に3000万円の住宅ローンを利用していると、投資ローンで受けられる融資額は、差し引きで4000万円までと判断されるような仕組みです。
投資ローンを住宅ローンと併用する時に注意するべき点
投資ローンと住宅ローンを併用するときの注意点について、詳しく確認していきましょう。
投資ローン審査と購入物件の収益性の関係
前述の通り、投資ローンでは個人属性に加えて購入を予定している物件の収益性が重視されます。住宅ローンとは違い、投資ローンは賃貸収入が返済の重要な資金源になるからです。
新築・築浅の物件であれば、将来の売却時に売りやすいことや耐用年数が長いという理由で、投資ローンの審査が通りやすい傾向があります。しかし見込まれる賃貸収入に対して購入価格が高いことが多く、実質利回りが低いと審査に不利な側面も。
また、すでに住宅ローンを借りている場合、未返済の借入金の残額は債務として扱われるため、その分、投資ローンの審査にも通りにくくなることがあります。その場合は物件の収益性ではなく、住宅ローンの残債を理由に審査を通過できない可能性もあるでしょう。
投資ローンと住宅ローンを同時に返済する際の注意点・リスク
投資ローンと住宅ローンを併用すると、投資ローンと住宅ローンを同時に返済していくことになります。何十年にもわたって毎月返済することになるので、様々なリスクを想定して慎重に返済計画を立てていくことが大切です。
空室リスクや家賃の値下がりリスクなどローン返済中のリスク対策をしておく
投資ローンの返済中には、空室や家賃の値下がりなどのリスクを想定しておかなければなりません。
特に新築・築浅のマンションに投資をした場合、以後の家賃の値下がり率が大きい可能性があることから、ローンの返済期間延長を検討する・借り換えを考えるなど、当初の返済計画の見直しが必要になることがあります。そのような中で住宅ローンも抱えていると、ローン返済や生活が苦しくなるかもしれません。
リスクヘッジのためには、対象エリアの人口の動向や賃貸ニーズをよく確認したり、高い入居率を実現している管理会社に物件の返済計画を相談したりと、物件購入の前段階から慎重な調査を行うことが重要です。
今回のまとめ
住宅ローンと投資ローンの併用が可能であること、両者の違い、併用する場合の融資上限額や注意点等について解説しました。
個人属性や投資対象物件の収益性にもよりますが、住宅ローンを借りている方が投資ローンを併用することは、基本的に可能です。ただし、それぞれのローンは、目的や性質、審査方法が異なります。併用をお考えの方は、まずはこれらの違いを十分に理解しておくことをおすすめします。
特に投資ローンの審査において、対象物件の収益性が重要な基準になりますので、不動産会社としっかり相談のうえでローンを検討していくようにしてください。
Myアセットでは、投資ローン単体での利用者にはもちろんのこと、住宅ローンと投資ローンを併用する方に対しても、個別で適切な助言を行うことができます。無理のない資金計画のもとでマンション投資を行いたい方は、ぜひお気軽に当社までご相談ください。