不動産投資の基礎

「家賃」と「売却」不動産投資で利益を出す2つの仕組みを解説

2022年10月12日

不動産投資から得られる利益は、大きく分けて2つ。1つ目が主に家賃収入を指す「インカムゲイン」。2つ目は不動産の売却で得られる利益である「キャピタルゲイン」です。
この記事では、不動産投資の利益が出る仕組みや、どのような方に不動産投資がおすすめなのかを解説します。

家賃収入で利益を得るインカムゲイン

インカムゲインとは、資産を保有していることにより得られる利益のことで、不動産投資では、入居者から支払われる家賃収入をはじめ、礼金・共益費・駐車場代などを指します。

インカムゲインのメリット

長期的な収入を得られることが、インカムゲインの大きなメリット。
不動産投資の場合、投資家は貸主となるため、基本的には、空室にならない限りは、その不動産を保有しているだけで収益を得られます。

一般に、新規入居者がわずか数ヶ月で部屋を出ていくことはなく1年、2年、場合によっては5年、10年と同じ部屋に居住することがあるため、定期的な収入を毎月家賃で得ることが可能です。
また、長期的には下がっていきますが、家賃相場は大きな変動があることは少なく、安定的な収入となりやすいため、長期的・安定的な収益を希望する方にはおすすめです。

インカムゲインのデメリット

インカムゲインは家賃収入である以上、入居者がいなければ収入はゼロになります。
特に不動産会社等に管理を依頼している場合には、入居者がいなくても管理費がかかるため、実質的な収支がマイナスになるおそれも。
ローンを組んで不動産投資を行っている場合には、たとえ収入がゼロでもローンの支払いが生じるため、予定していたローン返済計画と合わなくなります。

また、インカムゲインは、入居者から月々支払われる家賃が収益の柱となるため、短期的に大きな利益を狙うことはできません。短期的に大きな収益を上げるような資産運用を希望する方には不向きと言えます。

インカムゲインはこんな人におすすめ

メリット・デメリットを踏まえると、インカムゲインの不動産投資は、長期的・安定的な収益の獲得を希望している方、なるべくリスクを抑えた投資をしたい方、複数の投資用不動産からの収益を目指している方などに向いた投資法となります。

不動産売却で利益を得るキャピタルゲイン

不動産投資におけるキャピタルゲインとは、不動産を売却した時に得られる売却益です。その仕組みは単純で、安い時に購入して高い時に売却することにより、その差額が収益になります(※税金や各種経費は差し引かれます)。

キャピタルゲインのメリット

大きな利益を得られる可能性がある

不動産価格の変動は、株式など有価証券に比べると緩やかですが、長期的な視点では大きく上下しているため、タイミングがうまくいけば、大きな利益を得られる可能性があります。

比較的短期間で利益を得られることもある

不動産価格の変動は有価証券などに比べれば小さいことが多いですが、何らかの特別な理由により、比較的短期間で動くこともあります。例えば、投資した不動産の近隣に大型の施設(大学、大企業の工場、ショッピングモールなど)の建設計画が打ち出された時などです。
運良くそのような不動産物件を手にしていた投資家は、近隣の不動産相場が上昇したタイミングで物件を売却すれば、比較的短期間で利益を得られることもあります。

キャピタルゲインのデメリット

大きな損失を生む可能性がある

不動産相場が下落し、「この辺が買い時だ」と判断して不動産投資をしたとしても、実際にそのタイミングが底値であるかどうかの判断は難しく、その後も不動産相場が下落し続け、さらには元本割れをするおそれもあります。
キャピタルゲインを狙った不動産投資は、大きな利益を狙える可能性がある半面、大きな損失を生む可能性もあるのです。

売却のタイミングが分かりにくい

不動産相場の底値が分からないことと同様に、不動産価格の最高値も分かりません。「現在が売り時だ」と判断して不動産を売却したところ、その後も不動産相場が上昇し続ける可能性もあります。
逆に、さらなる上昇を期待して売却せずにいると、そのうち相場が下落に転じ、やがて元本割れしてしまうおそれも。
売却のタイミングが分かりにくいことが、キャピタルゲイン狙いの不動産投資のデメリットと言えます。

不動産投資に関する専門的な知識が必要

不動産の価格を変動させる要因には様々なものがあり、日本経済や地域経済の状況、大規模災害の可能性、金融緩和などの各種政策、人口の流出入、地質・地盤調査の結果…等々、不動産価格に影響を与える要因を挙げればきりがありません。
キャピタルゲイン狙いの不動産投資を行うためには、これらの様々な専門知識が必要となってきます。

キャピタルゲインはこんな人におすすめ

キャピタルゲインを狙った不動産投資は、比較的短期間で大きな収益を狙いたい方、すでに将来性の高い物件を所持されている方に向いている投資法です。

インカムゲインとキャピタルゲイン並行でも利益を出せる

不動産投資におけるインカムゲインとキャピタルゲインは、決して競合するものではありません。良質の物件を購入すれば、普段はインカムゲインを得つつ、不動産価格が上昇した時点で売却してキャピタルゲインを得る、という投資法も成り立ちます。
投資用の不動産を購入する場合には、インカムゲインとキャピタルゲインの並行で利益を出せるよう、プロの意見も踏まえながら一つ一つの物件をしっかりと比較・吟味することが大切です。

不動産投資以外にもあるインカムゲイン・キャピタルゲイン

「インカムゲイン」「キャピタルゲイン」という考え方は、不動産投資だけではなく、他の投資にも当てはまり、その中でも代表的なものは株式投資です。
株式投資から得られる利益は、大きく分けて配当金と売却益の2種類がありますが、このうち配当金がインカムゲインに当たり、売却益がキャピタルゲインに当たります。

ただし株式投資の配当金は、基本的には上半期と下半期の年2回だけしか支払われないうえ、企業の業績や経営方針次第では、配当金自体が存在しないこともあるため、月々安定したインカムゲインが入る不動産投資とは大きく異なります。

また、株式投資は日々大きく値動きのあるハイリスク・ハイリターン型での投資となりますが、不動産投資は値動きの緩やかなローリスク・ローリターン型の投資となります。キャピタルゲインに対する期待値やリスクも、株式投資と不動産投資とでは大きく異なるのです。

今回のまとめ

家賃収入で利益を得るインカムゲインを狙った不動産投資の仕組みは比較的シンプルですが、不動産売却でキャピタルゲインを狙った不動産投資は、売買のタイミングが非常に難しいため、不動産に関連する様々な専門知識が必要です。
また、インカムゲインにも空室リスクが付きまとうため、インカムゲイン・キャピタルゲインどちらも不動産投資のプロに相談しながら、投資を行うことをおすすめします。

Myアセットでは、不動産投資に関する専門的な相談を随時承っております。
投資用物件の売買・管理の豊富な実績を生かし、皆様の不動産投資サポートを行っておりますので、不動産投資をお考えの方は、ぜひお気軽にご相談ください。