売却

投資用不動産の売却価格はどう決まる?不動産の評価基準とは?

不動産の評価基準とは?

2024年3月27日

投資用不動産を売却する際、その価格はどのように決定されるのでしょうか?
売却価格を正しく理解するためには、不動産の評価基準について知っておく必要があります。
この記事では、不動産の評価額の決定要因に焦点を当て、投資用不動産を売却する際の価格形成について解説します。

不動産の資産価値とは?

不動産の資産価値とは、その不動産が市場でどれだけの価値を持つか、つまり売却時にどれくらいの価格が期待できるかを示す指標です。
投資用不動産の場合、その価値は単に建物や土地の物理的な特性だけでなく、立地条件、利便性、将来の発展性、そして何よりも市場の需要と供給のバランスによって形成されます。
売却価格を最大化するためには、これらの要素がどのように評価額に影響を与えるのかを理解することが必要不可欠です。

投資用不動産を保有している方であれば、いずれ訪れる売却の際に適正な評価を受けるためにも、不動産の資産価値について正しく知っておくことが重要です。

投資用不動産の評価基準を知る方法

投資用不動産の評価基準を把握するには、以下5つの不動産評価額を知る必要があります。
それでは、5つの不動産評価額について見ていきましょう。

  • 実勢価格
  • 公示地価
  • 基準地価
  • 固定資産税評価額
  • 路線価

実勢価格

実勢価格は、市場で実際に成立した取引の成約価格を指します。
この価格は、その時の需要と供給のバランスによって決まり、不動産の「今」の価値を反映しています。

投資用不動産を売却する際には、実勢価格は非常に重要な評価基準となります。
なぜなら、実際の市場価値をもとに売却価格を設定することで、適正な価格での取引が期待できるからです。

売却を考えている不動産の実勢価格を知るには、類似の物件の取引事例を調査することが一般的です。
近隣の同様の物件がどの程度の価格で取引されているかを把握することで、自身の不動産の売却価格の目安を立てることができます。

公示地価

公示地価は、国土交通省が毎年発表する土地の価格です。
この価格は、全国の特定地点の土地の価値を示し、不動産の相場を判断する一つの基準とされています。

不動産の売却価格を決定する際、公示地価は「正常な取引価格」を反映しているため、売主と買主の間で価格交渉の参考にされることが多いです。
ただし、公示地価はあくまで参考の一つであり、最終的な売却価格は市場の需給状況や物件の状態、立地条件など様々な要因によって左右されます。

投資用不動産を売却する際には、公示地価を確認し、その価格をもとに現在の市場状況や物件の特性を考慮した上で、適切な売却価格を設定することが重要です。

公示地価を理解し、活用することで、より合理的な価格設定が可能になり、投資用不動産の売却において有利な立場を確保することが期待できます。

基準地価

基準地価は、都道府県が毎年7月1日時点の土地の価値を評価し、9月に公表される価格です。
この価格は、国土利用計画法に基づいて選定された全国約2万地点の「基準地」の地価を示しています。
基準地価は、公示地価と同様に不動産の価値を判断するための重要な指標の一つですが、公示地価に比べてより広範な地域をカバーしている点が特徴です。

投資用不動産を売却する際に、基準地価を参照することで、その地域の土地価格の大まかな基準を知ることができます。
しかし、実際の売却価格は市場の需給状況や物件の特性、立地条件など、多様な要因によって左右されるため、基準地価はあくまで参考の一つとして活用することが重要です。

固定資産税評価額

固定資産税評価額は、地方自治体が不動産の所有者に課す固定資産税の算定基準となる価値です。
この評価額は、3年ごとに見直され、不動産の市場価値に基づいて決定されますが、市場価値と直接一致するわけではありません。

不動産市場の動向や物件の状態、立地条件など、多様な要因を考慮して最終的な売却価格が決まります。
しかし、固定資産税評価額を知ることは、物件の価値を大まかに理解する上で重要であり、売却時の価格交渉の出発点となり得ます。

路線価

路線価は、国税庁が公表する土地の評価基準の一つで、主に相続税や贈与税の算定に用いられます。
投資用不動産を売却する際にも、この路線価が重要な指標となり得ます。

路線価は、特定の地点における1平方メートル当たりの土地の価値を示し、その価格は公道に面している土地の価格を基準に定められます。
この価格は、不動産の立地や周辺環境、市場動向などを反映しており、投資用不動産の売却価格を決める際の参考になります。

売却を検討している不動産がある地域の路線価を確認することで、その地域の不動産価値の相場感を掴むことができ、売却価格の設定や買い手との交渉において有利に働くことがあります。

ただし、路線価はあくまで税務上の評価基準であり、実際の市場価格とは乖離がある場合もありますので、他の評価基準と併せて総合的に判断することが必要です。

投資用不動産の売却額は評価額で決まるわけではない

投資用不動産の売却を検討する際、多くの所有者がまず目を向けるのが物件の評価額です。
しかし、実際の売却額がこの評価額に基づいて決まるわけではありません。

評価額はあくまで売却に際しての出発点に過ぎず、最終的な売却額は市場の需給、物件の状態、立地、そして売主と買主の交渉によって左右されるものです。

市場の動向が大きな影響を及ぼすことは言うまでもありません。
例えば、経済情勢が良好で不動産市場が活況を呈している時期には、評価額以上での売却が可能な場合もあります。
逆に、市場が低迷している場合には、評価額を下回る価格での売却を余儀なくされることも少なくありません。

また、物件の特性が売却価格に大きく影響します。
同じエリアの物件であっても、日当たりや眺望、設備の充実度などの条件が異なれば、評価額と売却額に開きが生じることが一般的です。

さらに、売主と買主の交渉力もまた、売却額を左右する重要な要素です。
買主が物件を高く評価し、強く購入を希望する場合には、評価額以上の価格で売却できる可能性があります。
反対に、売主が早期に売却を希望する場合には、買主の提示する価格に応じざるを得ないこともあります。

このように、投資用不動産の売却額は、評価額に基づいて一律に決まるものではなく、様々な要因が複雑に絡み合う中で最終的な価格が形成されます。

そのため、市場の動向を正確に把握し、物件の魅力を最大限に引き出すこと、そして適切なタイミングでの交渉が必要不可欠となります。

まとめ

投資用不動産の売却価格を決定する際には、複数の評価基準を参考にすることが重要です。
この記事では、不動産の資産価値を知るための主要な評価基準について解説しました。

  • 実勢価格:市場での取引実績に基づく最も現実的な価格評価。
  • 公示地価:国が公表する土地の価格で、不動産の価値を把握するための重要な指標。
  • 基準地価:地方自治体が公表する土地の価格で、地域ごとの不動産価値を理解する上で役立つ。
  • 固定資産税評価額:固定資産税の計算のため基準となる価格で、一定の価値判断の参考になる。
  • 路線価:相続税や贈与税の算定基準として用いられる土地の価格。

これらの評価基準を理解し、適切に活用することで、投資用不動産の売却時に適正な価格設定を行うことが可能です。
売却を検討している方は、これらの基準を参考にしながら、不動産の価値を正確に把握し、適切な売却計画を立てましょう。