【不動産クラウドファンディング】利益分配の仕組みを解説
2025年5月12日
目次
・不動産投資に興味があるけど、資金の調達が難しい
・管理の手間がかかる不動産投資に抵抗感がある
そんな方に注目していただきたいのが、不動産クラウドファンディングです。 名前は聞いたことがあるけれど、仕組みが難しそうと感じている方も多いはず。
この記事では、不動産クラウドファンディングの基本的な仕組みから、メリットや注意点・リスク、他の不動産投資方法との違いを解説します。
不動産クラウドファンディングとは?
不動産クラウドファンディングとは 「複数の投資家から少額ずつお金を集めて、その資金で不動産を運用し、利益を分け合う投資」です。
従来の不動産投資では、「物件を丸ごと買って、自分で運用する」スタイルが主流でした。 その場合は何百万円〜何千万円という資金が必要で、管理や手続きも煩雑。
そこで登場したのが「不動産クラウドファンディング」です。 インターネットを通じて、1万円程度の少額から出資でき、手続きもオンラインで完結するのが特徴。 運営会社が物件の選定や購入、運用を行い、そこから得た「家賃収入」や「売却益」を、出資割合に応じて投資家に分配する仕組みになっています。
この仕組みについて、次で詳しく説明します。
不動産クラウドファンディングの仕組みとは?
不動産クラウドファンディングは、投資家から少額の資金を募り、その資金をもとに不動産の購入・運営・売却などを行うことで、得られた利益を投資家に分配します。
【イメージ】
投資家A:1万円
投資家B:5万円
投資家C:10万円
↓
全員のお金を集めて、運営会社が物件を購入&運用
↓
家賃収入や売却益が出る
↓
それぞれの出資比率に応じて利益を分配
どうやって利益が生まれる?
不動産クラウドファンディングでは、投資先の不動産が生み出す収益が投資家のリターンの原資になります。 その収益には主に2種類あります。
賃貸収入
物件を貸して得られる家賃収入が投資家に分配されます。 ただし、空室が出ると家賃収入が減る可能性があるので、運営会社がどのような物件を扱っているか確認しましょう。
売却益(キャピタルゲイン)
一定期間運用したあと、物件を売ったときの差額が利益になるタイプです。 不動産市況や物件の人気度によって売却価格が変わるため、タイミングや市況の影響を受けやすい面もあります。
ファンドごとに収益構造は異なるため、「どこから利益が出るのか」は予めチェックしておくことが大切。 また、どんな不動産でも空室や売却価格の下落リスクがあることは忘れてはいけません。
利益はどう分配される?
不動産クラウドファンディングでは、「優先劣後構造」という仕組みが多く採用されています。これは「もし想定より利益が少なかったとき、どちらが先に分配を受け取れるか」を決めるルールです。
優先出資(投資家)
ファンドの運用で得られた利益を「まずは投資家に優先的に分配する」仕組みです。 仮に全体の利益が予定よりも少なくなってしまっても、投資家側が先に分配を受けられるように設定されています。
劣後出資(運営会社)
投資家への分配が優先されたあと、「残った分」を受け取るのが運営会社です。 つまり、利益が十分に出なかった場合は運営会社が先にリスクを負う形になります。
例えば「投資家80%・運営会社20%」という優先劣後構造の場合、最初の80%分は投資家に配当され、残りの20%分を運営会社が受け取ります。
もし利益が全体で80%しか出なかったなら投資家分はほぼ確保されますが、運営会社はほぼ受け取れないか、あるいは一部しか受け取れません。
こうして投資家のリスクを極力下げる仕組みになっている、というわけです。
不動産クラウドファンディングの種類
不動産クラウドファンディングは、大きく分けて「匿名組合型」と「任意組合型」の2つに分類されます。この違いは、投資家と運営会社の「契約形態」や「責任の範囲」に関わってきます。
匿名組合型
匿名組合型は、運営会社と投資家が匿名組合契約を結ぶタイプです。 投資家は運営会社にお金を預けるイメージで、不動産の名義は運営会社のものになります。 そのため、投資家は不動産そのものを直接所有せず、あくまで「出資者」という立場です。
★Point
・投資家の名前が不動産の登記に載らない
・手続きが簡単で、多くの不動産クラウドファンディングがこの方式を採用している
・事業が上手くいかなかった場合、投資家は出資額を限度として有限責任を負う
任意組合型
任意組合型は、投資家同士が組合を作り、組合名義で不動産を所有するタイプです。 投資家は出資した割合に応じて「不動産を共有する権利」を持つことになります。
★Point
・投資家自身が間接的に不動産を所有する(共有持分)
・匿名組合型より数は少ないが、投資家としてより“所有している”感覚を持ちやすい
・高額出資も可能で大きなリターンを見込めるが、運用で損失が出た場合、投資家は出資の割合に応じて無限責任を負う
どちらが良い・悪いではなく、「運営会社の実績」「投資家のリスク負担」「ファンドのスキーム」がどう設計されているかをよく確認して、自分に合った方式を選びましょう。
不動産クラウドファンディングのメリット
少額から始められる
不動産クラウドファンディングでは、1万円程度から出資できるファンドが多くあります。 通常の不動産投資だと数百万円以上の自己資金や銀行融資が必要になることがほとんどですが、クラウドファンディングならまとまった資金がなくてもスタートできるのが大きな特徴。 投資金額が少額なため「お試し感覚で始めたい」という初心者にとってハードルが低いです。
投資の手間が少ない
実際に不動産を所有する場合、物件の管理や入居者対応など、手間や時間がかかる作業が発生します。 しかし、不動産クラウドファンディングでは、運営会社が物件の選定から管理・運営までを一括で行うため、投資家の作業は基本的に「出資手続き」と「分配金の確認」程度です。 また、運用状況や分配金の実績はオンラインで確認できるサービスが多いため、忙しい社会人や複数の投資手段を併用している方でも続けられるでしょう。
不動産クラウドファンディングの注意点
元本が保証されていない
不動産クラウドファンディングの出資金は、銀行預金のように「元本保証」があるわけではありません。
物件の運営や売却がうまくいかないと、配当が想定よりも下がる、もしくは投資金額の一部が戻ってこない可能性もあります。
優先劣後構造などで投資家のリスクを下げる工夫はされているものの、投資である以上、損失リスクはゼロではない点に注意しましょう。
途中解約できない
ほとんどの不動産クラウドファンディングでは、募集時に決められた運用期間の途中で投資をやめることはできません。
一般的な株式投資のように「必要なときに売る」ことが難しいため、運用期間中は資金がロックされてしまいます。
また、やむを得ない事情により途中解約が認められた場合でも、そのタイミングによっては分配金が一部または全く受け取れないリスクがあります。
急な資金需要が予想される方や、自由度を重視したい方は、この点をよく考えてから出資を検討する必要があります。
人気案件では申し込みが殺到する
利回りや物件の魅力が高いファンドは、募集開始後すぐに満額に達してしまうケースも珍しくありません。
いわゆる「クリック合戦」と呼ばれる状態で、出資できる枠があっという間に埋まってしまうことも。
出資のタイミングを逃さないためには、予めファンドの募集開始日をチェックしておく、あるいは抽選式を採用しているサービスを選ぶなどの工夫が必要です。
他の不動産投資方法との違い
現物不動産投資との違い
資金のハードル
現物不動産を購入する場合、頭金やローン審査が必要で、まとまった自己資金がないと始めにくいです。 不動産クラウドファンディングは1万円程度から出資できるタイプもあります。
管理の手間
現物不動産では、入居者対応や修繕などオーナーとしての管理業務が発生します。 クラウドファンディングでは運営会社が物件を管理してくれるので手間がかかりません。
リスク
物件の所有権を持つ現物投資は、空室が続いた場合や物件価格の下落リスクを負う形になります。 クラウドファンディングでは、リスクの大きさは出資額に紐づくため、出資額が少ないほどリスクも少なめな点が特徴です。
REITとの違い
運用形態
REIT(不動産投資信託)は証券市場で上場しているファンドです。 不動産クラウドファンディングは、未上場のファンドをオンラインで募集する形が一般的です。
流動性
REITは株式と同じように証券取引所で売買できるため、必要なときに売却しやすいのがメリット。 不動産クラウドファンディングは、運用期間が決まっていて途中で解約できないことが多いです。
リスク
REITは証券市場で日々価格が変動するため、株価のように値上がり・値下がりが起こります。 好調なときは利益を得やすい反面、景気や不動産市況の悪化、金利上昇などの影響で価格が急落するリスクもあります。
不動産クラウドファンディングは物件の家賃収入や売却益をベースに配当が行われるため、運用途中の価格変動は表面化しにくい反面、運用期間中は資金を引き出せないことが多く、元本が保証されるわけではありません。 物件の空室や売却価格の下振れなどによって分配金が想定より少なくなったり、損失が出るリスクもあります。
ソーシャルレンディングとの違い
投資対象
ソーシャルレンディングは、運営会社や個人に対する「融資」が中心です。 不動産クラウドファンディングは実際の不動産を運用し、賃貸収入や売却益をもとに利益を分配する仕組みです。
リターンの方法
ソーシャルレンディングは「返済があるかどうか」でリターンが決まります。 投資家は運営会社(借主)にお金を「貸す」立場です。 借主がきちんと返済できれば投資家は元本と利息を受け取れますが、もし返済不能になると損失を被るリスクがあります。
不動産クラウドファンディングは「実物資産に基づいた分配が行われるか」でリターンが決まります。 物件が家賃収入や売却益を生み出せば、その利益の一部が投資家に分配される形です。 資産の元になる不動産がはっきりしている分、運用状況も比較的わかりやすい部類です。
リスク
ソーシャルレンディングは運営会社に資金を貸し付ける形をとるため、返済能力が低下したり倒産したりすると投資家が損失を被る恐れがあります。
不動産クラウドファンディングは、家賃収入や売却益を得ることで分配を行う仕組みが多く、物件が存在するぶん運用の状況を比較的把握しやすい点が特徴。
ただし、不動産クラウドファンディングも元本が保証されるわけではなく、物件の価値や入居率、売却タイミングなどに左右されるリスクが伴います。
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※不動産特定共同事業法とは?
不動産特定共同事業法とは、不特法と呼ばれる法律で、不動産特定共同事業の健全な発展と投資家の保護を目的に施行された法律です。
複数の投資家から出資金を募り、集めた資金で不動産の取得や運用を行い、その収益を投資家に分配する事業を指します。
つまり、不動産クラウドファンディングは、不動産特定共同事業法に基づいて行われる投資なのです。
不動産特定共同事業は、国土交通大臣または都道府県知事の許可を受けた認可事業者のみが運営できるものです。
不動産特定共同事業者に対しては、資本金や財産的基礎、人的構成など、さまざまな要件が定められており、要件を満たした事業者のみ不動産特定共同事業者としての許可が与えられます。
この不特法の中で契約の形を匿名組合型、任意組合型に分けています。
まとめ
不動産クラウドファンディングは、少額から不動産投資を始められる新しい投資方法です。
「優先劣後構造」という仕組みのおかげでリスクが抑えられていますが、元本が保証されているわけではないことも忘れずに。
少額から投資を始めてみたい方、忙しくて手間をかけられないけれど不動産投資を経験してみたい方には、特におすすめです。
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