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空き家を手放したい時の対処方法とは?放置するリスクを解説!

事業用不動産とは

2025年1月21日

空き家の所有には様々な責任とリスクが伴います。建物の維持管理には定期的な費用が発生し、固定資産税などの税金負担もあります。また、適切な管理を怠ると建物の劣化が進み、資産価値が低下するだけでなく、近隣トラブルの原因にもなりかねません。

このような状況を防ぐため、空き家の活用予定がない場合は、早めに手放すことを検討する必要があります。 本記事では、空き家を手放す具体的な方法と、放置した場合のリスクについて解説します。

空き家を手放す方法を5つ解説

不動産会社に依頼して売却する

不動産会社に依頼する売却方法は、主に仲介業者と買取業者の2種類があります。 仲介業者を利用する場合、市場価格での売却が可能ですが、買主が見つかるまでに時間を要する場合があります。 売却完了時には売却価格の仲介手数料(3%+6万円(税別))が必要となり、内覧や価格交渉などの対応も求められます。

一方、買取業者を利用する場合は、比較的早く売却することができます。ただし、売却価格は市場価格より低くなる傾向があります。 しかし、買取業者に依頼すると、家財道具の処分も一括で依頼できる場合が多く、内覧や価格交渉の手間も少なくて済むため、現金化までの期間が短いというメリットがあります。

更地にして土地を売却する

建物を解体して更地にすることで、売却先の選択肢が広がる可能性があります。 30坪の木造住宅の場合、解体工事費が90~150万円程度、家財処分費が別途必要となります。さらに、産業廃棄物処理費やアスベスト調査費、その他諸経費なども考慮する必要があります。

更地にすることで土地活用の自由度が上がり、建物の状態を気にせずに売却できるメリットがあります。 また、購入検討者層が広がり、土地本来の価値で評価されやすくなります。ただし、更地にすると固定資産税が最大で6倍に増加することや再建築不可の土地では却って売却が困難になる可能性もあることに注意が必要です。

参照元:空き家の解体費用について|国土交通省(https://www.mlit.go.jp/policy/shingikai/content/001351140.pdf)

空き家バンクを活用して売却する

空き家バンクは、自治体が運営する空き家の情報提供サービスです。空き家の登録料や手数料が不要で、空き家と買いたい人と売りたい人のマッチングが可能です。令和元年に行われた国土交通省のアンケートによると約7割の全国1,261の自治体で空き家バンクが設置されています。

登録の際は、建物の写真や図面、設備の状態などの情報を詳しく掲載し、地域の生活環境や支援制度についても情報提供します。 価格設定は近隣相場を参考に適切に行い、自治体の担当者と密に連絡を取ることが重要です。

参照元:国土交通省 不動産・建設経済局 不動産業課(https://www.mlit.go.jp/totikensangyo/const/content/001583394.pdf)

自治体に寄付・譲渡する

空き家を自治体に寄付・譲渡することは、一般的には難しいとされています。 多くの自治体は、固定資産税の減収や管理負担の増加を理由に、個人からの空き家や土地の寄付を受け入れていません。

しかし、以下のような条件を満たす場合、寄付が受け入れられる可能性があります。

  • 公共施設としての利用価値が高い不動産:地域の公民館や交流施設として活用できる場合。
  • 広大な土地:公園や防災拠点として利用可能な広さを持つ土地。

これらの条件を満たす場合でも、自治体が必ずしも寄付を受け入れるとは限りません。まずは、該当する自治体の担当窓口に相談し、寄付が可能かどうか確認しましょう。 また、2023年4月から「相続土地国庫帰属制度」が開始され、一定の要件を満たす相続土地を国に引き渡すことが可能となりました。 ただし、この制度を利用するには、土地が建物や工作物のない更地であることなど、厳しい条件があります。

参照元:相続土地国庫帰属制度について | 法務省(https://www.moj.go.jp/MINJI/minji05_00454.html)

相続を放棄する

相続発生時点から3ヶ月以内であれば、相続放棄が可能です。手続きは家庭裁判所で行い、相続放棄の申述書の提出が必要です。 戸籍謄本や住民票、相続人資格を証明する書類、印鑑証明書などの書類を準備し、申述から受理までは時間がかかります。 注意点として、空き家だけでなく全ての相続財産が対象となり、一部の財産のみの放棄はできません。また、期限を過ぎると放棄できず、放棄後の撤回もできないため、慎重な判断が必要です。

参照元:民法第915条(https://laws.e-gov.go.jp/law/129AC0000000089/20210901_503AC0000000037#Mp-Pa_5-Ch_4-Se_1-At_915)

空き家を放置するリスクとは

空き家を所有するだけで税金がかかる

空き家を所有していると、毎年1月1日時点の所有者に固定資産税が課されます。都市計画区域内の物件の場合は、都市計画税も追加で課税されます。 固定資産税は課税標準額に1.4%の標準税率を掛けて計算され、都市計画税は課税標準額に0.3%を掛けて計算されます。

住宅用地には特例があり、200㎡以下の小規模住宅用地では固定資産税が1/6に、都市計画税が1/3に軽減されます。 200㎡を超える一般住宅用地では、それぞれ1/3と2/3に軽減されます。

ただし、特定空き家に指定されると、これらの軽減措置が適用されなくなり、税負担が大幅に増加する可能性があります。 税額は物件の評価額や面積、地域によって大きく異なるため、具体的な金額については自治体に確認しましょう。

参照元:NPO法人空家・空地管理センター(https://www.akiya-akichi.or.jp/kanri/tax/)

特定空き家に指定されると固定資産税の負担増や罰金が課される

特定空き家に指定された場合、行政から段階的な措置が取られます。まず助言・指導が行われ、改善が見られない場合は勧告が出されます。 この勧告の段階で住宅用地の特例が適用されなくなり、固定資産税が最大で約6倍になる可能性があります。

さらに改善がない場合は命令が出され、最終的に行政代執行(強制執行)される可能性もあります。行政代執行が行われた場合、その費用は所有者に請求されることになります。 なお、「空家等対策の推進に関する特別措置法」2023年12月の法改正により、「管理不全空き家」に指定された場合も同様に固定資産税が増額される可能性があります。 したがって、空き家の適切な管理は所有者の重要な責任となります。 建物の倒壊リスクや衛生上の問題、景観の著しい阻害など、周辺環境への悪影響が認められる場合は、早急な対策が必要です。

参照元:全日本不動産協会(https://saitama.zennichi.or.jp/column/kanri-fuzen-akiya/)

近隣トラブルや火災などのリスクがある

空き家の放置は様々なトラブルの原因となります。適切な管理を怠ると、雑草の繁茂や害虫の発生、不法投棄などの問題が起きやすくなります。 実際に報告されているトラブル事例として、庭木の越境による近隣への影響や不審者の侵入、放火、ゴミの不法投棄などがあります。これらの問題に対しては、定期的な巡回などの対策が必要です。 空き家の所有者には管理責任があり、これを怠ることで様々なリスクを負う可能性があります。また、管理不足による問題は、近隣住民への被害だけでなく、所有不動産の価値低下にもつながります。 特に深刻な場合は特定空き家に指定される可能性があり、その場合は固定資産税の増額や行政代執行による費用負担など、追加の経済的負担が発生することもあります。

空き家を手放したい場合は不動産査定がおすすめ

Myアセットでは、空き家の無料査定サービスを行っています。 経験豊富なスタッフが、建物の状態や立地条件を考慮した適切な査定を行います。

また、売却や活用方法について、具体的なアドバイスも可能です。ご相談・お問い合わせも受け付けていますので、まずは気軽にご相談ください。

まとめ

空き家の所有には継続的な管理負担と税金負担が伴い、放置することで様々なリスクが生じます。 活用予定のない空き家は、状況に応じた適切な方法で手放すことを検討しましょう。売却、空き家バンク活用、自治体への寄付、相続放棄など、複数の選択肢があります。

特に売却を検討する場合は、不動産会社による査定を受けることで、具体的な対策を立てやすくなります。 建物の状態や立地によって望ましい対処方法が異なるため、まずは不動産会社に相談することをおすすめします。早期の対策により、将来的な問題を防ぎ、適切な解決方法を見つけることができます。