売却

戸建ての売却価格は築年数でどのような影響がある?

戸建て築年数の影響

2024年6月19日

戸建ての売却価格を決める要因は、土地の面積やエリア、駅からの距離などさまざまな要因があります。
その中でも、売却価格に大きな影響があるのが築年数です。
本記事では、築年数が戸建て住宅の売却価格にどのように影響するのかを詳しく解説していきます。

戸建ては築年数が長いほど価値が落ちる

戸建ての売却を検討する際、築年数は非常に重要な要素です。
特に、日本では築年数の浅い住宅に対する需要が高いため、築年数が経過するごとに、住宅の市場価値は低下する傾向があります。

例えば、木造戸建ての場合、法定耐用年数は22年とされており、建物の資産価値は築22年以降はほぼゼロになります。
実際、築22年を超えた木造戸建ては、多くが建物の価値がほぼゼロと見なされ、売却価格は土地価値のみで評価されることが一般的です。

建物の価値が下がる原因は、建物の劣化だけでなく、建築基準に対する適合性の低下や設備の陳腐化も影響しています。
したがって、売却を考える際には、築年数に応じた適切な価格設定が求められます。

買主側から見れば、築年数が長くなればなるほど、リフォームやリノベーションの必要性が高まり、それを考慮した価格交渉が行われるため、売主としてもこれを理解し、準備しておくことが重要です。

戸建て住宅の種別割合と法定耐用年数

総務省統計局のデータによると、日本の戸建て住宅の内訳は次の通りです。
「木造」が全体の約58.9%にあたる2923万戸、「非木造(鉄筋、鉄骨コンクリート造、鉄骨造など)」が41.1%の2037万戸となっています。
昭和53年には木造が全体の約80%を占めていましたが、その後減少し、平成20年には58.9%まで下がりました。

また、戸建て住宅の法定耐用年数について、木造などの種別によって異なります。
以下の表に示す通り、建物の材質と構造に応じて耐用年数が設定されています。

物件の種類(住宅用) 法定耐用年数
木造・合成樹脂造 22年
鉄骨造(骨格材の肉厚3㎜以下のもの) 19年
鉄骨造(骨格材の肉厚3㎜を超え、4㎜以下のもの) 27年
鉄骨造(骨格材の肉厚4㎜超) 34年
れんが造・石造・ブロック造 38年
鉄骨鉄筋コンクリート造・鉄筋コンクリート造 47年

※参照元:住宅の種類,建て方及び構造・総務省
(https://www.stat.go.jp/data/jyutaku/2008/nihon/2_1.html)

※参照元:耐用年数(建物/建物附属設備)(https://www.keisan.nta.go.jp/h29yokuaru/aoiroshinkoku/hitsuyokeihi/genkashokyakuhi/taiyonensutatemono.html)

戸建てとマンションの売却価格の違い

国土交通省・中古住宅流通、リフォーム市場の現状

画像引用元:国土交通省・中古住宅流通、リフォーム市場の現状(https://www.mlit.go.jp/common/000135252.pdf)

国土交通省の公表した「中古住宅流通、リフォーム市場の現状」によるグラフを見ると、中古マンションの価格は築年数が経過しても比較的ゆるやかに減少していきます。
これは築年数が長くなっても、中古マンションが比較的高値で売却される可能性があることを示しています。

一方で、木造の戸建て住宅は、中古マンションよりも価値が急速に低下します。特に築22年を超えると、建物自体の価値はほぼなくなり、土地の価値が売却価格に大きく影響するようになることが分かります。

木造戸建て築年数別の売却価格目安

木造戸建ての築年数別、売却価格の目安を見ていきます。
築5年から築22年までに売却価格がどのように変化するかを解説します。

築5年以内の戸建て

築5年以内の戸建ては「築浅」として市場において高い評価を受けることが一般的です。
新築から間もないため、建物の劣化が少なく、比較的新しい設備が備えられています。
このため、購入希望者からの需要が高く、相対的に高い価格で売却することが可能です。
国土交通省の資料と照らし合わせると、戸建ての価値は新築時の約75%が査定価格です。

築10年以内の戸建て

築10年以内の戸建ても比較的高い売却価格を期待できます。
この時期には小規模なメンテナンスが必要になることもあり、適切な改修を行うことで、物件の魅力を保ち売却価格を支えることが可能です。
国土交通省の資料と照らし合わせると、戸建ての価値は新築時の約45%が査定価格です。

築15年以内の戸建て

築15年を過ぎると、戸建ての価値は大きく下落します。
この時期になると、外壁の劣化や屋根の修繕が必要になることもあり、これらが適切に管理されていない場合、価値が著しく低下する可能性があります。
しかし、立地や土地の価値、内装のメンテナンス状況によっては、依然として高価で売却できることもあります。
国土交通省の資料と照らし合わせると、戸建ての価値は新築時の約25%が査定価格です。

築20年以内の戸建て

築20年以内の木造戸建ては、建物の価値がほとんどなくなります。
築20年になると減価償却年数の22年に近づき、建物の価値はほとんどなくなるため、売却を考える場合は土地価値がより強く影響することになります。
国土交通省の資料と照らし合わせると、戸建ての価値は新築時の約15%が査定価格です。

築22年以上の戸建て

築22年を超えると、木造戸建ての法定耐用年数を迎え、建物自体の価値はほぼゼロになります。
しかし、土地の価値や立地、そしてリフォームを行うことで、依然として市場での競争力を保つことが可能です。
国土交通省の資料と照らし合わせると、建物の価値は新築時の約10%が査定価格です。

高く売却するためにできること

インスペクションを実施する

買主が安心して取引できるように、インスペクション(建物診断)を実施することが推奨されます。
インスペクションを通じて、建物の現状を正確に把握し、問題があれば修繕を行うことで、交渉過程での信頼性が増し、スムーズな売却が期待できます。
また、隠れた問題が後から発覚するのを防ぐこともできます。

必要な場合、リフォームをする

戸建てを売却する際にリフォームを検討することは、資産価値を向上させる有効な手段です。
特に築年数が進むと、キッチンや浴室などの水回りや外壁といった視覚的に老朽化が目立つ場所の修繕が必要になります。
適切なリフォームを行うことで、見た目が新しくなり、買主の印象を良くすることができます。
ただし、買主によっては自分でリフォームをしたいという場合もあるため、不動産会社と相談した上でリフォームについて検討しましょう。

周辺の戸建て売却価格を把握する

売却予定の戸建てと同じエリア内の市場価格を理解することは、適切な売出価格を設定する上で非常に重要です。
周辺物件の売却価格や取引事例を調査することにより、自身の物件が市場でどのように位置づけられるかが見えてきます。
不動産会社が提供する査定やインターネットの不動産ポータルサイトで売却価格を参考にするのも良いでしょう。
現実的な市場価格を把握することで、買主からの信頼を得やすくなり、スムーズな交渉が期待できます。

信頼できる不動産会社に依頼する

戸建ての売却を成功させるためには、経験豊富で信頼できる不動産会社に依頼することが必要不可欠です。
専門的な知識を持つ不動産会社は、適切な価格設定や販売戦略を提案し、売却プロセスを円滑に進めてくれます。

また、広いネットワークを活用して買主を見つけることが可能であり、法的な手続きも適切にサポートしてくれます。
不動産会社を選ぶ際は、過去の取引実績や顧客の評判を調査し、自身のニーズに適したサービスを提供する不動産会社を選ぶことが重要です。

不動産売却の無料査定はMyアセットまで

当社Myアセットでは、無料査定サービスを提供しています。
豊富な経験と知識を持つ専門家が、お客様からのニーズへ誠実に、柔軟に対応いたします。
戸建ての売却を検討中の方は、お気軽にお問い合わせください。

まとめ

本記事では、戸建ての売却価格に築年数が与える影響について詳しく解説しました。
まとめとして、以下のポイントを確認しておきましょう。

・築年数が長くなるほど、戸建ての建物の価値は減少する
特に木造戸建ては、築22年を境に建物の価値がほぼゼロになるため、売却時の価格は主に土地価値で決まります。

・戸建てを高く売却するための戦略を立てることが大切
インスペクションを実施して建物の状態を確認し、必要に応じてメンテナンスやリフォームを行うことで、物件の魅力を高めることができます。

・信頼できる不動産会社に売却依頼をする
過去の取引実績や評判を調査し、信頼できる不動産会社に売却を依頼しましょう。

これらのポイントを踏まえることで、戸建て住宅の売却を適切な条件で行うことが可能です。
不動産会社と相談しながら、築年数に応じて戦略的に売却の手続きを進めましょう。