不動産投資のリスク

不動産投資ローンが返せなくなるとどうなる?

2021年9月29日

不動産投資には、計画通りに収益が上がらずローンの返済ができなくなるおそれがあります。なぜなら、実際に得られる家賃収入に対してローンの返済額が高すぎたり、想定よりも空室が多く出てしまったりと、思ったように家賃収入が入らないことなどが起こりうるからです。
特に、新築や築浅の物件は年数が経つにつれ新しさという付加価値が無くなっていくため、このリスクが比較的高いかもしれません。

ローン返済ができなくなった場合に起こることを詳しく解説していきます。

不動産投資ローンを返済できなかったらどうなる?

不動産投資ローンを返済できないまま長期間経過すると、物件が差し押さえられてしまいます。そして、任意売却や競売といった方法で債務を返済せざるを得なくなることがあるのです。

任意売却・競売でも返済できなければ、最悪、自己破産となる

不動産投資ローンの返済ができなくなってしまった場合、物件が差し押さえられ、融資を受けている金融機関(債権者)に相談の上で任意売却や競売を経て現金化されます。現金はローン残債の返済に充てられ、完済できない場合は債務者の自己資金を充てることに。
それでも返済しきれない場合には自己破産となり、ローン残債の返済義務はなくなりますが、財産の大部分を失うことに加え、金融事故歴がついてしまうため、5~10年の間はローンを組めないおそれがあります。

任意売却と競売について

競売とは

競売とは、金融機関がローン返済が滞った不動産を差し押さえた後、裁判所を通じて強制的に物件を売却する手続きのこと。
売主が価格を設定できず、オークションの形式をとるため、購入者の希望価格で競り落とされます。

競売には債務者の意思が一切反映されず、法律に則って売却手続きが進められていくため、多くの場合、売却価格は相場よりも低めで、買主が決まったあと債務者は速やかに物件を引き渡さなければなりません。

任意売却とは

競売よりも比較的相場に近い価格で売却するための手段が、任意売却です。

不動産投資ローンを組む際には、確実に弁済してもらえるよう、費用を貸す側の金融機関が土地・建物を担保にとりますが、この権利を「抵当権」と言います。 抵当権は不動産投資ローンを全額返済するまで解除できないのが原則。一般的な売却の際も、ローンが残っている場合には売却代金で残債を返済することが前提となりますが、売却代金を充ててもローンが残ってしまう場合に、金融機関の承諾を得て売却するのが、任意売却です。
金融機関に相談して抵当権を解除してもらうことで、ローンが残っている状態でも売却活動ができ、市場の相場に近い価格で売却できる可能性が生まれます。 金融機関としては、オークション形式となる競売よりも多くの金額を回収できるという点がメリットです。債務者としては一定の範囲内で自由に売却活動ができ、売却価格の交渉や買主の選択なども可能になります。

不動産投資ローンを返済できないときの手段として、競売よりは任意売却の方がメリットが多いといえます。

不動産が競売にかけられる場合

希望すれば必ず任意売却をできるわけではありません。不動産が競売にかけられる状況は、主に以下の2つが挙げられます。

金融機関が任意売却に積極的ではない場合

金融機関は必ずしも任意売却を許可するわけではありません。金融機関の判断次第では、「そもそも任意売却を認めない方針である」「それまでのローン滞納で心証が悪い」などの理由から任意売却が認められず、競売を開始することがあります。

競売の入札開始までに任意売却が完了しなかった場合

入札開始までに買主が現れず物件が売れなければ、金融機関は競売手続きを開始します。

不動産投資ローンの返済を滞らせないための対策

不動産投資ローンの返済が難しくなってしまう事態を避けるために、事前の対策をおすすめします。具体的な対策例は以下の3点です。

信頼できる不動産会社を探す

物件の状態に問題が無いかどうか、地域の賃貸ニーズは将来的にも継続するかどうかなど、専門的な視点から収益性についてアドバイスできる不動産会社をパートナーに選ぶことがおすすめです。

多めに頭金を用意しておく

頭金として用意する金額が多ければローンの金額を抑えられるため、返済が滞るリスクを避けやすくなります。ただしレバレッジ効果は下がるので、不動産会社に相談しつつ適切な頭金の金額を検討することがおすすめです。

DSCRを目安にローンの借入金額を検討する

不動産投資ローンを組むとき、無理なく借り入れられる金額の目安として、DSCR(デット・サービス・カバレッジ・レシオ)と呼ばれる数値を参考にする場合があります。
「返済総額に対する家賃収入の比率」のことで、計算式は次の通りです。

DSCR = 家賃収入の総額 ÷ 返済総額(元金+利息)

通常、算出された数値が1.6以上であれば、無理のない返済ができると予想されますが、1.2以下であれば、返済が厳しくなる可能性があるため、借入金額の見直しがおすすめです。

今回のまとめ

不動産投資ローンを返済できなくなる原因のひとつが、購入価格と想定家賃収入のバランスを見誤ることです。ローンの完済が難しくなると、任意売却や競売、自己破産などの選択を行うことになりかねません。

こうした事態を避けるために、購入時から信頼できる不動産会社をパートナーとし、じっくりと相談しながら投資先を見極めるのがおすすめです。物件自体のことだけではなく、頭金・融資・返済といった資金計画なども含めて相談できる不動産会社を探すと良いでしょう。
また、ローン借入額を抑えるため、頭金を多く入れることも対策として有効です。

Myアセットでは、これまで多くのお客様にご提案させていただいたノウハウを生かし、資金計画を含めた総合的な不動産投資のアドバイスを行っております。不動産投資をお考えの方は、ぜひ気軽にご相談くださいませ。