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【投資用】サブリースの1Rマンションを売却するには?難しい理由も解説

 

ワンルームマンション 売却 サブリース

 

2025年7月9日

一括借り上げのおかげで家賃保証はあるものの、想定より利回りが伸びず、次の投資に資金を回したい。そんなタイミングで壁になるのがサブリース契約です。
買主はサブリースに理解のある層に限られ、契約解除には借地借家法が立ちはだかり、結果として売りたくても売れない状態になってしまうケースも。本記事では、そんなサブリース契約について以下の観点から解説します。

■ サブリース契約の仕組み、メリット、デメリット
■ サブリース契約付きのワンルームマンションは売れるのか
■ サブリースの解約はなぜ難しいのか

そもそも、サブリース契約とは?

仕組み

サブリース契約とは、簡単に言うと「不動産の又貸し」に関する契約です。
例えば、あなたがマンションの一室を所有していて「入居者を探すのが面倒だし、空室リスクも嫌だな」と思っているとします。そこで登場するのが「サブリース会社」です。
この会社が物件を一括で借り上げてくれて、あなたに毎月一定の賃料を支払います。そして、サブリース会社が別の人(実際の入居者)に貸し出すのです。
つまり、所有者→サブリース会社→入居者という「二重構造」になっているのがポイントです。

【イメージ】
 オーナー
  ↓ 建物賃貸借契約(マスターリース契約)
 サブリース会社
  ↓ 建物賃貸借契約(サブリース契約)
 入居者

メリット

■空室リスクを軽減できる
サブリース会社が「空室でも一定額の賃料を保証」するため入居者がいない期間でも収入が入ります。

■管理の手間が減る
入居者対応、家賃回収、クレーム処理などはサブリース会社が代行します。
不動産に詳しくない人や本業が忙しい人にとって助かる仕組みです。

■長期的な収入の見通しが立てやすい
「毎月◯万円」といった固定的な契約になるので、キャッシュフロー計画が立てやすくなります。

デメリット

■実際の賃料より収入は少ない
サブリース会社も利益を出す必要があるため、家賃の80〜90%程度を保証する形になることが多いです。
つまり、満室で直接貸す方法と比べると手取りは少なくなるのです。

■家賃減額リスクがある
最初は家賃月10万円で、数年後に「相場が下がったから8万円にします」と減額されるケースも。
契約書の更新条件や見直し時期をよく確認する必要があります。

■入居者を選べない
貸主ではありますが、入居者と直接契約していないためどんな人が住んでいるのか把握しにくいです。
トラブルが起きた際、内情がよくわからず手が出せないことも。

■解約や契約終了が難しいことがある
「30年一括借り上げ」と聞こえは良くても、実際には途中解約に制限があったり、違約金が発生する場合があります。
契約解除に関しては注意が必要なため、後ほど詳しく解説します。

サブリースのワンルームマンションを売却する方法

サブリースを引き継いで売る(オーナーチェンジ)

この場合、買主はサブリース契約もまとめて引き継ぎます。
つまり、新しいオーナーは「入居者ではなくサブリース会社に貸す」ことになります。
しかし、以下のような注意点が存在します。

■新しいオーナーは、自分で自由に使えない
「自分で住みたい」「自分で運用したい」と思っても、それはできません。
あくまで「サブリース会社が決めた条件で貸すだけ」だからです。

■そもそも、買ってくれる人の範囲が狭まる
実需(自分で住みたい人)はこの物件とマッチしません(自由に使えないため)。
そのため、売る対象は「投資家」になりますが、その中でも「サブリースOK」な人に限られます。

■家賃の条件が悪ければ、魅力が下がる
例えば、周辺相場が月9万円なのに、サブリースでの収益が7万円しか入らないとします。
この場合、新しいオーナーにとっては「収益が少ない=投資としてうまみのない物件」です。

要するに、売却に出すこと自体は可能でも「サブリース契約を付けたままのワンルームマンションは売りにくい」のです。
では次に、サブリース契約を解除してから売るパターンを見てみましょう。

サブリースを解約してから売る(ただし、ハードルが高い)

サブリースを解約して、空室(もしくは通常管理物件)として売る方法です。
理論上は高く売れますが、ハードルはかなり高めということを知っておきましょう。
その理由は以下のとおりです。

■ オーナー側からの解約には「正当事由」が必須
■ 正当事由がない場合、賃料数ヶ月〜年単位の違約金を求められるケースが多い
■ 解約告知期間が6ヶ月必要

この「サブリースの解約」に関して、次で詳しく説明します。

サブリースの解約が難しい理由

借地借家法により、借主(サブリース会社)が手厚く保護されているから

サブリース契約では、オーナーが「貸主」、サブリース会社が「借主」という関係になります。
この契約には「借地借家法」という法律が適用されます。
借地借家法は、一般的に「借主」を保護することを重視した法律です。
この「借主」が、サブリース契約においては「サブリース会社」にあたります。
そのため、貸主であるオーナーが一方的に契約を終了させることが難しくなっているのです。
どのように厳しいのかというと、オーナーからの解約申し入れが通るのは以下の場合です。

■ 解約の申し入れに「正当の事由」があること(※1)
■ 解約の申し入れから6ヶ月の期間を経過すること(※2)

(※1)借地借家法28条
「建物の賃貸人による第二十六条第一項の通知又は建物の賃貸借の解約の申入れは、建物の賃貸人及び賃借人(転借人を含む。以下この条において同じ。)が建物の使用を必要とする事情のほか、建物の賃貸借に関する従前の経過、建物の利用状況及び建物の現況並びに建物の賃貸人が建物の明渡しの条件として又は建物の明渡しと引換えに建物の賃借人に対して財産上の給付をする旨の申出をした場合におけるその申出を考慮して、正当の事由があると認められる場合でなければ、することができない。」

(※2)借地借家法27条
「建物の賃貸人が賃貸借の解約の申入れをした場合においては、建物の賃貸借は、解約の申入れの日から六月を経過することによって終了する。」


※参照元:e-GOV法令検索┃借地借家法

正当事由として認められるケースとは?

解約のポイントとなる「正当事由」とは、以下のようなケースです。 こちらはあくまでも一例で、正当事由の定義が明確に定められているわけではありません。

■ オーナー本人、または親族などが物件を使用する
■ 建物が老朽化して、取り壊す必要がある
■ 再開発計画や公共工事のため、致し方ないと判断される

上記のように、解約する事情の正当性が求められるのです。
なお、単に「売却しやすくしたいから(サブリース付きだと売りにくいから)」という理由は、オーナー側の事情によるものなので正当事由として認められません。

解約できても、違約金を支払う必要があるケースも

サブリース契約では、解約時の「違約金」が設定されている場合があります。
この違約金がサブリースの解約ハードルが高い理由の一つでもあり、サブリース会社にもよりますが家賃の半年分相当やそれ以上など、高額だと思っておいたほうが良いでしょう。

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まとめ

サブリース付きワンルームマンションの売却は、普通の不動産売却と比べて難易度が高いものです。
オーナーチェンジ(サブリース契約を引き継ぐ)での売却は買主が限られるうえ、収益条件によってはなかなか買主がつかないことも。
一方で、契約を解除して売る場合は法律や契約内容に阻まれ、違約金や長い解約期間がネックになります。
事前に自分の契約内容をよく確認し、「どの方法なら現実的か」「売却にかかるコストや期間はどうか」を把握することが大切です。
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