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中古マンションでリノベーション投資をするためのポイントは?

2022年05月20日

「リノベーション投資」とは、中古マンションを購入した後リノベーションすることで、物件の価値を高めて賃貸に出したり売却したりする不動産投資の手法です。
このページでは、リノベーション投資の利点と注意点を合わせて解説します。

ちなみに、リノベーションとリフォームは異なるものです。
リノベーションは「機能や価値を高める」改修であり、間取りを変更するために仕切りを外したり、雰囲気を変えるためにクロスや床を張り替えたりすることを意味します。
それに対してリフォームは、新築時の状態を目指して修繕すること。具体的には、老朽化したシステムキッチンを新しいものに入れ替えたり、汚れた床や壁を張り替えたりすることです。

リノベーション投資のメリット

リノベーション投資のメリットは、大きく分けて以下の2つです。

マンションに付加価値が生まれる

中古マンションをリノベーションすると、物件の価値が高まり、賃料を高めに設定できる可能性があります。

不動産は、築年数が経つにつれて資産価値が下がってしまい、設定できる家賃も下がる傾向にあります。
しかし、リノベーションを行って見た目や機能を整えれば、物件の付加価値を再度高め、賃貸ニーズに応えやすくすることが可能です。

例えば、間取りの変更によって、ファミリー世帯以外のニーズに応えることができます。
70平方メートルのマンションは新築であれば3LDKで販売されることが一般的ですが、DINKS(共働きで子どもを持たない夫婦)や単身世帯の場合、リビングを広くとった2LDKや1LDKを求めるケースも。リノベーションを行うことで、このような世帯をターゲットにした賃貸が可能になります。

また、自分の好みにフィットしたデザインの物件を求める傾向が高まっているので、リノベーションでデザイン性を向上させれば賃貸ニーズに応えやすくなるでしょう。
昨今、働き方の多様化による在宅勤務の増加をはじめとして、家で過ごす時間が増えています。いわゆる「寝るだけ」の家ではなく、生活の場としてより快適に過ごせる住まいを求めるようになっているのです。

投資する物件の選択肢が広がる

内装はリノベーションで変えられるため、投資物件探しで立地や建築の基礎を重視できることもメリットです。

マンションへの不動産投資において立地は重要な条件ですが、駅周辺や商店街・商業施設が隣接しているエリアにおいて新築マンションや内装が綺麗な中古マンションに絞って探そうとすると、なかなか希望条件に合致する物件を見つけられないかも知れません。しかし、リノベーションを前提にすれば、内装の条件を無くして好立地の中古マンションを探すことができ、物件探しをよりスムーズに進められるでしょう。

リノベーション投資の注意点

リノベーション投資にはメリットがありますが、実際に投資を始める際には以下のポイントに注意しましょう。

改修できるのは専有部のみ

リノベーションできるのは専有部だけであって、共用部は改修できません。

例えば、バルコニーは専用使用権という権利が認められているものの、あくまで共用部であるため、工事は不可能です。
同様に、窓枠やサッシ、玄関の扉なども一般的には共用部。さらに、配管の移動についても、シャフトが共用部に該当する(マンション全体を縦に通っている)ため行うことができません。

物件自体の属性

マンションの築年数や立地、管理規約などは、リノベーションでは変更できません。

建物自体があまりにも古いと、雨漏りやシロアリなどの被害が既に発生していて、修繕費が想定以上にかかってしまうおそれがあります。
また、マンションの立地が悪いと、魅力的な内装にリノベーションしても入居者がつきにくいかもしれません。

さらに、管理規約が入居者に不親切だったり管理状態が悪かったりすると賃貸には不利になってしまいますが、区分所有者一人の意見では変更できません。
入居者の入れ替わりやトラブルが発生する頻度など、住人の状況についても不動産会社から情報収集しておくことをおすすめします。

資金計画の崩れ

不動産投資では、収入・支出の計画が崩れないか確認することが大切です。
リノベーション投資において計画が崩れてしまう原因は、主に以下の2点が考えられます。

リノベーション費用のかけすぎ

リノベーションで行いたい改修が重なった結果、新築物件を購入した場合よりも費用の総額が高くなってしまうおそれがあります。
工事費用に対して見合う家賃収入を得られるのかを想定し、しっかりとした資金計画を立てることが必要です。

工事期間の延長と賃貸収入の遅延

リノベーションの工事期間が想定より長引いた場合、入居者がついて家賃が入り始めるタイミングが当初の予定より遅れ、収支計画が崩れてしまうかもしれません。

想定外に修繕が必要な箇所が見つかるといったアクシデントも考えられるため、実際に入居を開始できる日に余裕を持って計算しておきましょう。

リノベーションが制限されてしまう物件とは?

リノベーションを前提とする物件の購入では、建物の構造や管理規約などについて、思い描いたリノベーションを実現できるか確認しましょう。

建物の構造によりリノベーションが制限される

建物によっては、想定していた改修がそもそも不可能というケースがあります。

例えば、マンションの構造によっては、壁を壊すことが認められません。壁や柱には建物の強度を保つために必要なものがあるからですが、その場合は間取りを変更できなくなってしまいます。

また、キッチン・トイレ・バスなどの設備も要注意です。床下にスペースがなかったり古いマンションで排水管が階下の天井裏にあったりする場合は、水回りの移動ができないことも。「分電盤の容量に上限があってIHコンロを増設できない」「ガス給湯器の大きさに制限がある」といったおそれもあるでしょう。

加えて、コンロやIHクッキングヒーターなどの位置を変えるためには、排気ダクトの配管工事が必要ですが、排気ダクトは梁を貫通して配管することができません。そのため、梁の位置によってはコンロの移動箇所が制限されてしまうでしょう。

管理規約によりリノベーションが制限されている

マンションの管理規約によっては、そもそもリノベーションの工事を行えなかったり、工事を行う業者・方法・使う資材などがあらかじめ決められていたりします。

例えば、建物に穴を開けることが禁止されている場合。
これによって、

  • 浴槽と廊下にある給湯器を配管でつなげる工事が認められず、お風呂に追い炊き機能を付けられない
  • エアコンを新たに設置できない

といったおそれがあります。

最近の住宅では一般的なフローリングについても、カーペットが敷かれているような古い物件では騒音の観点から使用が不可能なこともあるでしょう。

今回のまとめ

中古マンションをリノベーションすることによって資産価値を向上させる不動産投資を、リノベーション投資と呼びます。
投資用物件として中古マンションも視野に入れることで、選択肢を増やせる点がメリットです。

しかし、リノベーションには、「マンションの構造や管理規約による制限があり、想定していた改修工事ができない」「工事費用が高額になり、コストパフォーマンスが悪化した」「工事期間が延びて賃貸収入が計画より遅くなった」といったリスクもあります。リノベーションを前提とする物件の購入前には、リノベーションの自由度と、築年数や立地などのリノベーションでは変更できない点、そしてマンションの管理状況について確認し、慎重に資金計画を立てましょう。

購入対象の物件がリノベーションできるかどうか、具体的な費用・期間の確認、そして資金計画の検討は専門家に相談しながら進めていくことがおすすめです。
Myアセットでは物件の管理運用に豊富な実績と知見があり、インテリアコーディネーターの方とコラボレーションして中古マンションをリノベーションする企画も行っています。中古マンションへの不動産投資やリノベーションをお考えの方は、ぜひMyアセットにお問い合わせください。