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新築?中古?投資用マンション購入ならどっち?

2021年3月18日

投資用マンションの購入をお考えの方の中には、新築マンションを選ぶべきか、それとも中古マンションを選ぶべきか、悩まれている方も多いと思います。そこで今回は、投資用としての新築マンション・中古マンションのそれぞれのメリットとデメリットを比較し、どちらを選ぶべきかを検討してみます。投資用マンションの購入をお考えの方は、ぜひ参考にしてください。

なお、新築住宅(新築マンション)とは、「施工完了日から1年以内で、まだ人が居住したことがないもの」と法律で定義されており、このページでも同様の定義で解説します。

参考:住宅の品質確保の促進等に関する法律
https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=411AC0000000081

新築マンション投資or 中古マンション投資の違い

不動産投資としてマンションを買うとき、新築マンションと中古マンションでは物件のスペックや、それに伴ってかかるコストの違いなどから、下記の表のように様々な点で違いがあります。

中古マンションと新築マンションの違い一覧表

※表の内容はあくまで傾向であり、全てのマンションに当てはまるものではありません。環境や立地など様々な要因によって状況が異なります。

新築マンションのほうが入居率や賃料が高い傾向にあるため一見すると投資に有利に思えますが、キャッシュフロー(収入と支出の差)で見ると、中古マンションのほうがプラス幅が大きくなる傾向があります。

新築マンションは購入価格が中古に比べて高くなりがちで、手を出しにくい印象をお持ちの方も多いと思いますが、中古マンションよりもローン審査が通りやすいことから、実は自己資金ゼロでも不動産投資を始められる可能性があるのです。

今回の記事では、新築マンションと中古マンションの違いの中でも特に重要な点をピックアップ。
それぞれに投資する際のメリットとデメリットをご説明いたします。

不動産投資で新築マンションを購入するメリット・デメリット

○入居率が高くなりやすく、家賃も上げやすい

新築マンションは室内や設備が真新しく、状態が非常に良いものばかり。この点において、中古マンションに比べて新築マンションのほうが魅力的です。その分、「新築マンションに入居したい」という人も多くなり、入居率が高くなりやすい(=空室率が低くなりやすい)と考えられます。
また、高い需要に比べて新築マンションの供給が多いわけではないことから、オーナーとしては家賃を高く設定しやすいとも言えるでしょう。

○ローン審査が通りやすく、自己資金が少なくて済む

投資用マンションを購入する際にローンを利用する場合は、住宅ローンではなく「不動産投資ローン(アパートローン)」になります。ローン審査においては、お金を借りる人の年収や勤務先などの個人属性に加えて、購入する物件の価値や期待される収益性などが審査されます。
新築マンションは、築年数が古い物件に比べて建物の耐久性が高く、建築基準など新しい法令に沿って建てられているために建物の評価をしやすいなどの理由で、物件の価値が高く評価される傾向があります。このため中古物件に比べてローン審査に通りやすく、ケースによっては頭金がゼロのフルローンを組める可能性もあります。つまり、少ない自己資金でもマンション投資を始めやすいのです。

○当面の間リフォームや修繕をしなくて済む

中古マンションの場合、入居者を受け入れる前にリフォームや修繕が必要となることも多くあります。賃貸付けを良くするために、入居者のニーズに合わせて追い炊きや自動の湯張り機能がついた浴槽やウォシュレット機能の付いたトイレなど新しい設備を導入することもあります。リフォームや新設備の導入には数十万円、百万円単位かかることがあります。
それに対して新築マンションは建物も設備も最新に近い状態なので、しばらくリフォームや修繕の必要がありません。購入価格以外の費用が比較的抑えられることになります。

○節税効果が高い

投資用マンションによる不動産収入には所得税がかかりますが、その計算では、物件の建物の評価と耐用年数に応じた減価償却費を経費として差し引けます。減価償却とは、資産の価値が徐々に下がっていくと捉え、その減少分を年度の経費として計算する税制上の仕組みのこと。経費部分には課税されないため、減価償却処理をすることで節税効果が生まれます。
減価償却できる年数は鉄筋コンクリート造・鉄骨鉄筋コンクリート造で最大47年という耐用年数が決まっており、新築マンションならこれを最大限に利用可能。減価償却できる期間が長いため、節税によって高い投資効率を期待できます。

△物件価格が高いため利回りを上げづらい=キャッシュフローが小さい

新築マンションの物件価格は、築年数以外の条件が同等な中古マンションに比べて物件価格が高めです。このため、不動産投資のキャッシュフロー(収入と支出の差)が小さくなる傾向があります。
物件価格が高いと、ローンの借入額が高く月々の返済額も高くなりやすいためです。入居率や家賃を高めにできたとしても、手元に残るお金も少なければ実質利回りは低くなってしまいます。

△新築プレミアムがなくなるとともに価値や賃料が急激に落ちていく

新築プレミアムとは、新築であること、つまり「築1年以内」「誰も住んだことがない」という理由からマンションにつく付加価値を指します。
似たような条件のマンションだったとしても、一般的には、中古よりも新築のほうが購入価格は高くなりますが、その理由は、大きく分けて2つ。不動産会社の利益が含まれること、そしてもう1つが「新築」という付加価値がついていることなのです。
この新築プレミアムが消滅すると、どんなに新しくてもそのマンションは「中古」扱いとなります。それに伴って賃料は下がりますし、加えて築年数を経ることも賃料が落ちていく原因になります。

関連記事:マンションの家賃下落はなぜ起きる?

不動産投資で中古マンションを買うメリット・デメリット

○過去の入居率、管理状況、周辺環境などを確認できる

新築マンションの場合、実際に募集活動を行ってみなければ、入居希望者がどれくらい現れるのか予想しにくいことがあります。一方で中古マンションの場合には、過去~現在の入居率や管理状況などの履歴・周辺環境の利用状況から、ある程度は入居者の予想が立てられます。現実的な観点で、賃料設定が妥当であるか、入居者の入れ替えのタイミングでどれくらいリフォームをするべきかなどマンション投資の戦略を立てやすいのは、中古物件ならではのメリットと言えるでしょう。

○オーナーチェンジなら家賃収入がすぐに入り始める

入居者がいる状態のマンションを購入することを、オーナーチェンジと言います。オーナーチェンジ物件の場合、すでに入居者がいるため新たなオーナーはすぐに家賃収入を得られます。入居者が既に十分いるのであれば、新規入居者を募集する手間もありません。

△ローンを組みにくい可能性がある

中古マンションは築年数を経るにつれて建物や設備が古くなり、入居者の人気が落ちていく傾向があります。このため、将来的な収益可能性でみると、新築マンションよりも金融機関からの物件評価は得にくくなってしまうのです。したがって新築マンションに比べローンを組みにくくなるおそれがあるので注意しましょう。

△修繕費がかかることが多い

中古マンションの場合、購入してすぐに修繕が必要になることがあります。すぐに修繕が必要かどうか、次に修繕が必要になるのはいつ頃になりそうかといった状況は購入前に不動産会社にも相談・確認し、可能な限り出費を想定して計画を立てておきましょう。
また、たとえ修繕が不要な中古物件だったとしても、空室リスクを抑えるため、例えば追い焚き機能のついた浴槽など、市場ニーズに応じた新しい設備を導入する必要がある可能性にも要注意です。

△売却が難しくなるかもしれない

購入する中古マンションの築年数やメンテナンス状況にもよりますが、一般に築30年や40年が経過している中古マンションの場合、売り出しても買主が現れないことがあります。買い手がつきにくい・避けられてしまう理由になるリスクとしては、以下が考えられます。

  • 競合が多いエリアである場合、築古だと入居率が低くなる
  • 前述のように修繕費がかかりやすく、利回りが下りやすい。特に大規模修繕の時期が近いと修繕費を支払う必要があるため敬遠される
  • 築年数が古いと管理費や修繕積立金が高くなる
  • 修繕に伴って入居者の交渉などがあるため、頻繁だと賃貸管理上の手間がかかる
  • 上記のような頻繁な折衝から、家賃引き下げを交渉されてしまう

後々の売却を念頭に置いてマンションを購入するのであれば、そのタイミングで物件が築何年になっているのか、修繕が必要になるのかなどにも気をつけましょう。

新築と中古、いいとこ取りをするなら?

新築マンションと中古マンション、それぞれに投資にあたってのメリットとデメリットがあることがわかりました。では、「新築の良いところ」と「中古の良いところ」を持ち合わせたマンションはないのでしょうか?

築年数が浅い中古マンション

新築と中古のメリットを持ちあわせた理想に近い物件の一例が、築浅(※)の中古マンション。全くの新築でなくても、築5年程までの中古マンションであれば劣化が少ないため、当面は修繕が必要ないかもしれません。築年数の影響で価値が下がりすぎていることもないので、家賃を極端に下げる必要もないでしょう。
中古マンションのデメリットを抑えながら、新築マンションに近いメリットを得ることを期待できます。

※「築浅」に不動産業界における定義はありませんが、「不動産情報サイト事業者連絡協議会(RSC)」のアンケート調査によると、回答者のうち約80%は築5年以内を「築浅」と考えているので、本記事内では築5年以内を築浅とします。

参考:一般消費者対象「不動産広告に関するアンケート」調査結果
https://www.rsc-web.jp/pre/img/120420.pdf

築年数が古い中古マンションでもリノベーションすれば投資向き?

では、築年数の古いマンションでは、いいとこ取りはできないでしょうか?たとえば、リノベーションをして新築に近い状態に仕上げれば、築古のマンションの投資効果を高められることがあります。

たしかに、リノベーションをして賃貸物件としての価値や魅力を高めれば、築古のマンションでも早い段階で入居者が現れる可能性があるでしょう。 しかし築古のマンションの場合には、インターネットの回線を変えて環境を整えたい場合にケーブルを引き込むためのスペースが無いなど設備の拡張性に課題があったり、修繕や設備導入に大きなコストがかかったりすることがあります。
また、リノベーションした結果として速やかに入居者が現れたとしても、それによってコストとリターンが見合うとは限りません。リノベーションせずに低めの家賃のまま入居者を募ったほうが、かえって利回りが高くなる、といった状況もあり得るでしょう。

築古のマンションをリノベーションして、新築並の投資効果を狙うには、購入する前に不動産投資やリノベーションの専門家に相談して、十分に調査・検討するのがおすすめです。

今回のまとめ

新築マンションにも中古マンションにも、それぞれ違ったメリット・デメリットがあり、一概にどちらが良いとは言い切れません。新築と中古の「いいとこ取り」を狙う方法もありますが、設備や築年数、市場ニーズなど、多面的な視点から物件を精査することが、マンション投資に成功するためには重要です。

新築であれ中古であれ、少しでもリスクを抑えつつ投資用マンションを選ぶなら、何より専門家の意見を聞くのが大切です。Myアセットでは様々な投資用物件を取り扱う実績をもとに、オーナー様の不動産投資を成功に導くためのご相談も承っております。ぜひお気軽にご相談ください。